子どものコーチング【行動する途中では?第2回】

子どものやる気を育む 賢い親達の日常コーチング-3つの方法[全4回]もくじ

  • 第1回「話を聞いた後にとるアクション
  • 第2回「行動の最中にとる大切なコーチング
  • 第3回「子どもが行動を終えた後のアクション1
  • 第4回「子どもが行動を終えた後のアクション2


    これが出来たら、これ(褒美)を買ってあげる。
    試験などの成果などのをあげる古典的なテクニックですが、
    ある心理実験では、最初は一定の効果はあるが次第に効果は弱くなる、というデータがあるそうです。
    確かにそうかもしれません。
    随分昔、僕も何度か試みてみたことがあったのです。
    たしかに初めは良いのですが、後からがもたない…。
    ほんともたないのです。
    なんかツマラナイ…と最後に子どもから言い出す始末。
    馬鹿にされているように感じるのでしょうね。
    一方、全く褒美を約束していないのに、
    子どもはドンドンと前にいってしまうことがあります。
    成績を上げたい!という目標がないときでもです。
    それは自分の成績のためだけではなさそうです。
    これは不可解です。
    ここですこし考えてみてください。
    このようなドンドン前に行くその心理状況に
    深く関わっているものは、一体、何だと思いますか?
    いろんな理由があるじゃないか、と想像できます。
    ただ大体ある理由に落ち着くのです。
    では答えを言わせてください。
    それは・・・
    「期待」です。
    ■期待の力
    僕はいつも思います。
    真剣に誰かが子どもを期待していれば、
    その子どもはその期待に応えようとすると。
    さらに本人も自分の可能性に期待を置いたとき、
    そこから出てくるエネルギーは想像を遥かに超えたものです。
    よく定期試験前に子どもに尋ねます。
    「今回の社会はどんな感じになりそうですか?」
    「前よりは勉強したよ。」
    「そうか!前よりも勉強したんだ。
     ちょっと変わったね。」
    「うん。さすがに前の成績じゃね。ただ結果はどうか…」
    「確かに結果は分からないけれど、
     でもやっぱり楽しみだよね。
     上がるといいな。
     結果、絶対に聞かせてくれよ!」
    「うん。報告する。」
    このようなやり取りでも十分に<期待する気持ち>は伝わります。
    期待という言葉こそありませんが、その期待が溢れているやり取り。
    こういったものの積み重ねが、ちょっとした変化を引き起こすものです。
    子どもがベットでゴロンと漫画を読んでいても、
    『先生、なんか喜んでいたな。
     今日は疲れて勉強する気しないけれど、
     ちょっと先生を喜ばせてやるか。』
    と急に机に向かいだすかもしれません。
    そういったものなのです。
    「あなたのためを思って、
     私は勉強しなさい!と言っているのよ。」
    というよりも、
    こちらの勝手な期待を込めたやり取りのほうが、
    ずっと心には響きます。
    ■小さな期待
    ただ気をつけてください。
    こういった子の変化は狙うものではありません。
    また期待はウソであってはいけません。

    偽りのない心の底から湧き上がる期待。
    それが唯一の条件なのです。
    僕たちが期待を持つ変化が大切です。
    そうした上で、子どもは変化への段階へ進むのです。
    ですから、どんな小さいことでもかまいません。
    子どもに期待を持ち、行動の前の会話をちょっとしてみてください。
    もちろんそれがすぐに何か引き起こすことはありません。
    ただ小さく何かが変化しているはずです。
    その小さな変化の欠片が、次の何かを引き起こす引き金になる。
    それは可能性として十分に考えられるのです。
    そんな変化を小さく期待してくださいね。
    では。
    第3回、最後のコーチングへ進みます。


    子どもの日常コーチング-3つの方法[全4回]

    【もくじ】
    ・第1回.話を聞いた後は?>読む
    ■第2回.行動する途中は?
    ・第3回.行動を終えた後は?1>読む
    ・第4回.行動を終えた後は?2>読む