「小学3年生の算数」の教え方の例

コンパスで上手く円が描けない…小数の数直線が読めないと言った算数でみうけられる3年生の意外な躓きへの主な教え方を書きました。

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「100秒を何分何秒に置き換えることができない。」

秒は60秒集まると1分に変われるんだよ(60進法)と説明したうえで、100秒なら60秒の束をいくつ作れるか考えてもらいます。60秒の束が、1つできて残りが40秒とわかれば、自然に1分40秒と分かると思います。

「午後2時10分の30分前の時刻は?といった時計文字盤の12をまたぐ時刻の計算ができない。」

時間の繰り下がりで躓いているかと思われます。時刻をかき出して、筆算式で解くといいでしょう。

  1. −01時10分
    00時30分
  2. −00時60分(時間の繰下げ)
    −01時10分
    00時30分
  3. −00時60分
    −01時10分
    00時30分
    −00時40分
  4. 12をまたぐ計算のときは“時刻(分)を1減らして分(秒)を60増やす”と覚えておくと楽に計算ができると思います。

「算数の文章題で正解の式12÷3なのにを3÷12としてしまう。」

この算数の分からないは“3人に12個のあめ玉をひとしくわけるとき、1人分のあめ玉はいくつですか?”といった問題文の数の登場が3→12となって生じることが多いです。イメージで整理する段階で「12個のものを3人に分ける。だから12÷3だよ」とわけられる数→わける数の形になっていることを何度も確認しましょう。これでミスは軽減できます。

「“何人にわけることができますか?”の問題がわり算だとわからない。」

“6このあめ玉を1人に2個ずつわけるとき、何人にわけることができますか?”このわり算の考え方を包含除といいます。これがちょっと扱いが難しいです(1人何個ですか?のわり算は等分除)以下のように教えるといいでしょう。

包含除は『どきどきわり算』
何人にわけられるか分からない→子どもたちは、自分がもらえるかどうか分からないからドキドキしている

等分除は『ワクワクわり算』
みんなに等しく分ける→子どもたちは、いくつもらえるか楽しみだからワクワクしている

このような比喩で2つのわり算の違いが整理できると思います。

「0÷3=3、あるいは1としてしまう。」

わり算の考え方を忘れている可能性があるので、簡単な例にもどってみます。
「0個のクッキーを焼いたのだけれど、3人でわけると1人何個貰えるかな?」
出来るだけ身近な例で話します。答は0個。これを式で表すと0÷3=0となることを確認します。
ここで初めて納得できると思います。

「3÷0の答はないという意味がよく分からない。」

小学生では、この本質理解は難しいです。ただ具体的な例で考えると納得はできると思います。
「3個のクッキーを0人の子どもたちに配るとき1人何個ですか?」
答は尋ねずに式だけたててもらいます。式は3÷0。
つぎに答を考えてみます。が…そもそも人がいない。つまり1人何個という話はおかしい。つまりわり算として成立しないというわけで、答はないとなります。

「コンパスをつかって上手くマルがかけない。」

子どもがコンパスを上手く操作できない原因は3つあります。

  1. コンパスの接続部分のゆるみ
    コンパスの足と足の接続部分のネジがゆるんでいるとダメです。新しいものに換えます。
  2. 回転の仕方
    回転の仕方は、少し長めの幅で自分の方から時計回りに、クルクル回転させる練習を積む必要があります。
  3. 濃さの意識
    鉛筆レベルの濃さを目標にコンパスを扱うと、ズレる可能性は高いです。うすく見える程度で構いません。
    以上の事に気をつければ、自ずと円が描けるようになると思います。

「球の直径や半径の説明がうまくできない。」

これは絵で見ても分かりにくいです。よって粘土等で球形をつくり、切ってみたうえで説明するといいでしょう。なかなか把握しずらいものでもありますので、子どもがピンとこなければ少し時期をずらして学習しても構わないと思います。

「205+398などの繰り上りの計算ができない。」

一の位で繰り上がった1が、十の位でさらに繰り上がる和繰り上りのパターンです。

  1. 繰り上りの1を「繰り上がるの位の答の右上」に記入します。
    算数_3_0.jpg
  2. 十の位の計算(0+9)を行い、繰り上りの1を足し、10となります。その繰り上りの1をさらに「繰り上がる位の答の右上」に記入します。算数_3_1.jpg
  3. 最後に百の位の計算(2+3)を行い、繰り上りの1を足し、百の位の答を記入します。算数_3_2.jpg

筆算では通常よりも大きめのマス(1.5cm〜2cm)をつかいます。ひとつひとつ丁寧に繰り返し練習が必要です。

「11890059といった大きな数を読み上げることができない。」

万進法の数の読み上げは子どもたちの多くが混乱します。数を整理する工夫が必要です。

  1. 一の位から4けたごとに区切りを入れる。
    1189 / 0059
  2. 左側の4けたの下に“万”を記入
    1189 / 0059
    000
  3. 数の左から4けた(青部分)を読み、仕切りで「万」を読み、続けて右の4けた(緑部分)を読む。
    1189 / 0059
    000
    よみ「千百八十九 五十九
    ゆっくり手順をふまえて、練習する事が大切です。

「二百十二万三千六百五といった万を含んだ漢数字表記から数表記に変えることができない。」

漢数字を数表記に変えるにあたって整理が必要です。以下のように行なうといいでしょう。

  1. 万の右側に区切りを入れる。万に色をつける。
    二百十二 / 三千六百五
  2. 左側の万の位の数を書き、うすく区切りを入れて、右側の千位以下の位の数をかく。
    二百十二 / 三千六百五
    12 / 3605
  3. うすく引いた線を消して、整理する。
    2123605

書いた数を読み上げて、漢数字のとおりかチェックして終わりです。

「大きな数の数直線が読めない。」

0の数が多くなると、数直線の変化が捉えにくくなります。そこで変化部分を注視して整理します。

  1. 大きなメモリの数の変化部分に色をつける。
    10000、20000
    算数_3_1_1.jpg
  2. 変化部分の色から右1桁分も色をつける。
    10000、20000算数_3_1_2.jpg
  3. 着色された数をみて、他の数を想像する。
    1020の間には…11、12がある。
    だから11000, 12000,と続くんだな〜」算数_3_1_3.jpg

ゆっくり丁寧に取り組むようにさせて下さい。

「120000と9000の大きさの違いが分からない。」

桁の0が多くなると数の大きさが把握しにくいです。一の位を揃えて縦に並べて考えると桁の違いが把握しやすくなります。

120000
090000

かけ算の筆算において、繰り上った数にかけてしまう。

たし算の繰り上りを一番上に書く癖があると、このミスに陥る場合があります。

算数_3_6.jpg

かけ算の繰り上りのメモは答の欄の右上に記入する癖を身につけるといいと思います。

「60÷3などの筆算で1の位の0を抜いてしまう。」

子どもたちがよく躓く箇所です。
「わり算は一の位を割り終えるまでがゴール※1」と前提を確認します。

算数_3_7.jpg

一の位は0だから0÷3=0。だから一の位は0がたつと分かると思います。
※1割り切りがある小数のわり算においては当てはまりません。

「0.4Lは1Lよりも多いと捉えている。」

数の量イメージが欠けています。まずはイメージに遡ってそれぞれの量の大きさを確かめるといいでしょう。

算数_3_8.jpg

また1を1.0と小数表示して大きさを位どりを再確認してみてもいいと思います。

2+3.4=3.6としてしまう。

位どりが意識されていません。まずは筆算をつかって確認します。

算数3_5.jpg

整数の2を2.0に変えると、計算がよりスムーズに理解できます。

「5.0の0を消して、5にする意味が分からない。」

「数の世界には、空の位がどこまでも続くときその位の0は書かない」というルールがあります。5.0の0からずっと小さな位も0は続いていますので、5.0の0は消すと教えましょう。

「0.8の0はなぜ消さないのか分からない。」

すべての数は1の位を目印に、位の位置関係を表しています。だから一の位だけは表示しなければなりません。1の位が空の時は0を表示します。
「一の位はだけはいつでも表示する」
と教えればいいでしょう。

「小数の数直線が読めない。」

小さな目盛りが読めないのは、整数で表現された大きな目盛りから小数部分が想像できないからです。

  1. 大きな目盛りの整数表示を小数第一位まで表示させる。
    1,2,3→1.0 , 2.0 , 3.0
  2. 小数の1.0と2.0の間にある小数を想像する。
    「1.0と2.0の間には、1.1とか1.2とかあるぞ」
  3. 数直線をみて小さなメモリの数を書き込む。算数_3_9.jpg

基本的な流れは整数の数直線と同じです。

「1.7は0.1がいくつ集まった数なのかピンと来ない。」

教え方は以下の通りです。

  1. 「0.1を3つ集めるといくつ?」と質問します。
    解答後に0.1と0.3を位を合わせて上下に並べます。
    0.3(3つあつめたもの)
    0.1
  2. 2つの数を位をあわせて上下に並べます。
    1.7
    0.1
  3. 「では、1.7は0.1をいくつ集めた数ですか?」と改めて尋ねます。
    1.7(17つあつめたもの)
    0.1

これで理解できると思います。

「分数の1/3(さんぶんのいち)は1より大きい数と捉えてしまう。」

分数の表記理解が不十分で、数量のイメージができていません。もとに1の大きさを3つ分けたうちの1つが、1/3と伝えた上で、イメージでどちらが大きいか判断させます。

算数_3_10.jpg

その上で、分数表記の中で大小判断の練習を積むといいと思います。

「分子と分母を混合してしまう。」

「母が子をおんぶしている様子。母は下、子は上。子が母と同じ大きさになると、一人前=整数の1になる。」と印象づけを行うといいと思います。

「3/4を“三分の四”と分子を先に言ってしまう。」

結構、よくある躓きですね。
「ジュースを3/4あげるとき、メモリを4つに区切って、3あげるよね。メモリを区切るのが先のように、読むのも先なんだよ」
と教えるといいと思います。若干こじつけですが…。

「0.3と3/10が同じ大きさであることが分からない。」

数量イメージに戻ってみるといいでしょう。

  1. 1Lを10等分し3メモリまで入った量を示します。
  2. この量を小数で表現してもらいます。
  3. この量を分数で表現してもらいます。算数_3_11.jpg
  4. 分数の10等分は小数とメモリが重なることを確認します。

分母が10,100といった数は、小数のメモリであることも教えるといいです。

「2/4-1/4(四分の二ひく四分の一)を1としてしまう。」

分母は分母同士で、分子は分子同士で引いています。分数のかけ算を学習した後、このようなひき算の躓きがおこります。数量イメージに戻ってみるといいでしょう。

「1-2/3などの整数—分数が計算できない。」

やり方が混乱しがちなところです。ひとつひとつ丁寧に手続きをまとめてあげます。

  1. これまでの計算を確認します。
    「整数は整数同士で計算できるし、分数は分数同士で計算ができるよね。」
  2. 整数を分数に変える。
    1-2/3
    3/3-2/3

小数は小数同士、分数は分数同士で演算することを基本として捉えさせます。

13×23の筆算で、10の位をかけるときに左にずらすことを忘れる。

躓きを避ける方法は2つあります。
【空きに0を書く習慣をつける】
【かける数の位置から答をかく】
無意識にできるまでは、十分な練習が必要です。

2けた同士のかけ算で、一の位の繰り上げの数(1)を十の位のかけ算で誤ってかけてしまう。

かけ算の繰りあげる数を筆算の上にかくと、この誤りが発生します。まず繰り上りの数を筆算の上に書く癖を止めることが先決です。

算数_3_6.jpg

繰り上りの数は答を書く次の位の右上に書けば、見間違いはなくなるでしょう。

「体重計で体重を量る際、体に力を込めたときと、楽にしたときでは力を込めたときが重いという。」

実際に、体重計に乗って真偽を確かめることが一番いいと思います。

「粘土を1つの塊にしたときと、バラバラにしたときでは1つの塊にした方が重いという。」

まだ量の保存という重要な概念が身についていないかもしれません。家庭用の測りをつかって、いろんな形の粘土を計測するといいでしょう。重そうな形、軽そうな形などを考えて確かめるといいと思います。