スタートに“戻る"は、ほんとは“進む”こと

算数数学における「もどる」は逆戻りではない。
それはむしろ「前に進む」を意味しています。


■迷子防止=戻る
迷子になった時は、分かる場所まで戻ってみる。
これは子どもが街を駆け回る時の迷子にならない原則ですが、
算数にとってもこれは大原則です。
問題が解けずに助けを呼ぶ(=解答を見る)これは最後の手段。
地道に記憶を遡り、時間をかけて分かるところまで戻る。
分かる場所からもう一度、問題を静観し、
そしてまた手探りで考え解法の道を探す。
その繰り返しがとても大切です。
■戻ると時間がかかる
時間をかけて分かる所まで戻るのは、
とても時間がかかります。
いうなれば目的地までの道を進んだかと思えば、
またスタートに戻ったりするのです。
スムーズにいけば1~2分で終わる問題を、
5分…6分…時には10分以上も考えることもあります。
「沢山解かなきゃ駄目だ!」
と考える親御さんや先生たちは
子どもが遡って考えているとどうしてもイライラしてしまいます。
こんなことでは試験時間が足りない…
なんでこんな簡単な問題が…
ついつい口を出してしまいます。
でもそこで邪魔してはいけません。
戻って考えているのは、
一見無駄な時間のような気がしますが、
この時間こそが算数世界の再構築の時間なのです。
■再構築の時間
戻る時間はこれまで自分が知った概念や、
定義をじっくり考える時間でもあります
1つ1つの概念から出発して、他の問題で得た理解を組み合わせる。
行った道を戻り、また進んでいく、そしてまた戻る。
その思考の軌跡が、しっかりとした算数の世界を築くのです。
例えるならその進退のくり返しによって、
頭の中の思考回路が、
その道路を拡張し、整備しようとする。
そこで初めて大きな算数の世界地図を頭に描くことができます。
戻る習慣は、算数の呼吸。そう生命線なのです。