単元の初めは奇をてらうな!<br> 生徒ためを本気で考える

単元の授業導入はとても大事。教科書も惹きつける導入を工夫していますが、
私はもっとシンプルに考えています。


■奇をてらった導入
最近の教科書はとてもよく出来ています。
教科書の中身がカラフルなのはもちろん。
導入では、生徒たちの興味を惹きつけるために、
身近な教具を用いたりしています。
それには私も感心しています。
単調な授業にならないように、
奇を狙っていく。
これは授業を進める上で、
大切なこととではあります。
しかし生徒たちの興味関心を得るために、
ただ奇を狙うことでいいか?
それは間違いだと思います。
■導入は静かでもいい
導入とはその単元の入口です。
それを学習するために、
あれこれと工夫することは大切ではあります。
激しい心の揺さぶりある授業。
そのような授業はとても魅力的ではあります。
しかし揺さぶっていくことは、
そう長く続けられるものでもありません。
もちろん「ゆさぶる授業のテクニック」はありますが、
それにも限界はあります。
生徒たちを揺さぶることが、目的になっても困りますし・・・。
私は別に静かでいいんじゃないか、と思います。
それより導入よりもまえに、
もっとやるべき重要な事がある気がします。
■図式導入の原則1【学習マップ】
学ぶ上で最も重要なこと。
私は学ぶところの「地図」だと思います。
今、私たちはどこを学習しているのか?
そしてこれからどこへ向かおうとするのか?
これを先生と生徒で共有しあう。
これがまず大切だと思うのです。
図式指導法の授業プランでは、
表紙はおもいきってプリントの目次です。
目次といっても、
ただ箇条書きしたものではありません。
その目次は以下の通りです。

プリントの流れが分かるように、
1枚のプリントをアイコン風に表現。
これでプリントが全部で何枚になるかが、
生徒たちも一目で分かります。
また、プリントにおいて理解の区切りを、
フレームにわけています。
これで一つ一つの短期的な目標が作れるわけです。
例えば、角の性質はプリント二枚となっている。
これをまずは理解しよう!という風にもなるわけです。
先生自身も、
今授業がどの位置にあるのか?
これがすっきりと分かります。
授業毎に目次で位置を確認すれば、
生徒たちも授業の全体像が把握できて、
授業の取り組み方も積極的になると思います。
そして単元の授業でやるべき事は、
もうひとつあります。
■図式導入の原則2
 【単元理解の為の復習】

図式指導法のはじめのプリントは、
とっても地味です。
なぜなら・・はじめのプリントは復習プリント。
その単元を学習するために
知っておくべき知識や理解の確認をするのです。
苦手だった子にとっては、
なんだか嫌な過去を蒸返された気分になるかもしれませんが^^;
たとえば「AB//CD」は、線分ABと線分CDが平行とか。
とても基本的なことをまずはじめに確認します。
これは生徒たちの為だけではありません。
先生自身の為の準備運動でもあります。
■授業のすすめ方をイメージする
初めに復習プリントをするというのは、
授業を行う先生の為でもあります。
プリントで生徒たちの理解の状況がわかります。
「意外と忘れているな・・・」
「お、スラスラできているぞ・・・」
以前教えたところが、
現段階でどのようになっているか?
それを把握することはとても大切なことです。
これからの授業の進度をどうすべきかにも関わりますし、
また、その復習している単元の課題もみえてきます。
先生にとっても、生徒にとっても、
授業の始まりで確認することはとても大切なのです。