子どもの外遊びが算数の概念を形成する

光と影をどう教えるか?図を使えばいとも簡単なんだけど、やっぱり外遊びには叶わないわけで…その話です。

不可解な「光」「影」

光は完璧な平行線です。光は直進し、影は高さに比例します。光は子供たちの身近にあるのに、分かりにくいものの1つです。

なぜなら光は目に見えないからです。光は影があってその存在を確認できます。これは当たり前のことですが、子供にとっては分かりにくいものでもあります。

見える化する図

光と影を可視化すること。これは図が得意とすることろです。
影のノート板書

上の板書では、具体的に影がどの様に差し込んでくるのか?色をぬることで実感できます。影には、沢山の合同な三角形も潜んでいます。三角形の擬人化で子供たちに、分かりやすく伝えています。(小・中学生はみんな擬人化が大好きですね。)

しかしこの図解で光・影を分かりやすく教えればそれでいいという訳ではありません。

まずは「外遊び」が大事

外に出て、時間とともに影の長さを実感する。光の存在を学ぶ学習のはじまりは、外遊びでしょう。長年教える中で、この遊びの価値=体験の価値の大きさに気づかされます。たとえば、子どもは影についてこう考えるかもしれません。

「昼の校庭の影はすぐ下にあるけれど、家に帰るときの影は、ずっと向こうまで伸びているな」

この子どもらしい感覚経験が大切です。
太陽の位置が違うからそうなっている、という頭で考えることではなく

「全ての影が例外なく伸びている」

という不思議が法則というものの存在を教えてくれるのです。

外遊びで身につく力

最近の子供たちは外遊びが少なくなってきました。これはとても残念なことです。外遊びというのは、学習という見地で捉えても、「砂遊び」では、体積の保存・平均感覚の概念が身につく。

「だるまさんが転んだ」では、速さの概念
「鬼ごっこ」では、運動と距離の概念
「影踏み」では、比例関係の概念

こんなにも学習の種があります。これは図や言葉では、どうしても教えられないものなのですね。まずはお子さんを遊ばせて下さい。