過不足の問題[数学1年生・1次方程式]解説【つづき】

連立方程式の図解連立方程式の過不足算の問題を図で考えてみます。
一つ一つ丁寧に扱うため少しゆっくりめです。

【問題】
あめ玉を子どもに配るのに、1人に5個ずつ配ると30個余り、1人に8個ずつ配ると3人分足りないという。子どもの人数を求めなさい。

【解説】
この問題解説は、タイル図(面積図)を使用しています。図の意味が分からない方は、はじめに【タイル図について】をご覧ください。

問題文に線をひく

いつものように問題文を3回は読みます。
「何が、どうして、どうなるか?」に注目します。
<何が><どうなる?>の部分に線を引きます。
あめ玉を子どもに配るのに、1人に5個ずつ配ると30個余り(①)、1人に8個ずつ配ると3人分足りない(②)という。子どもの人数を求めなさい。
問題のポイントは①②の2点です。ある数のあめ玉を2つの場面で分けます。さっそく図であらわします。

図をかく【場面①-X(エックス)とおく】

あめ玉を子ども達に配る話だな。問題は子ども達の人数をたずねているから、この子ども人数をX(エックス)とおこう。
X人の子どもにあめ玉を配る話、ということになるな。

図をかく【場面①-あめ玉をくばる】


1人に5個ずつ配ると30個余る。
場面①では、あめ玉を1人に5こずつ配るのか。ということは、タイル図のたては5ことなるな。

図をかく【場面①-あまりを書く】


1人に5個ずつ配ると30個余る。配ったらあまりが出たのか。このあまりは配ったあめ玉の横に書いておこう。30このあめ玉を四角で表そう。

図をかく【場面②-3人分たりない】


1人に8個ずつ配ると3人分足りないという。場面②では、3人分足りなかったのか。

可哀想…3人はもらえなかったということかぁ。そのもらえなかった3人を、線分図にしっかり書き込もう。

図をかく【場面②-3人以外に配る】


1人に8個ずつ配ると3人分足りないという。3人分足りない・・・その3人はあめ玉がもらえなかった。てことは、その3人以外の人は8こずつもらえたわけだな。タイル図のたては8こになるな。これで問題文を図で表したぞ。

ここまでが問題文→タイル図の書き起こし部分です。次から実際の答探りになります。

図をさぐる【場面①-配ったあめ玉の数の合計】


場面①(左のタイル図)をみてみよう。子ども達に配った合計を文字で表せるぞ。

5×X=5X

四角の中に5Xと書き込もう。

図をさぐる【場面②-配った人数を表す】


次は、場面②の方だな。こっちの方の配った数は…文字で表せない。
だって配った人数がわからないもんなぁ。あ!でも配った人数は分かるぞ!
子どもの数がX人で、配ってもらえなかった子が3人。だから、あめ玉を配った人数はX-3ということになるな。

図をさぐる【場面②-配ったあめ玉の数の合計】


場面②の配った人数が分かったから、配られたあめ玉の数も分かるな。
8×(X-3)だから…8(X-3)これも図の中に書き込もう!

図をさぐる【場面①・②のあめ玉の総数】

さぁ、ここから等式を考えよう。

あめ玉を場面①と場面②という2場面で配ったんだよな。余りがあったり、配れた人数が違ったりしている。何が同じか…あ、そうだ!

もともとあるあめ玉の数が同じだ。たとえどんな配り方をしても、あめ玉の総数は変わらない。

図をさぐる【等式をたてる】

あめ玉の総数が変わらない、ということは、「場面①のあめ玉の総数」と「場面②のあめ玉の総数」は同じ。これを等式にすればいいんだな。
あめ玉の総数は、

場面①では・・・5X+30
場面②では・・・8(X-3)

だから等式はこうなる。
5X+30=8(X-3)
あとはこれを解けばいい。

※計算過程は省略
X=18
Xは子どもの人数だな。だから、子どもの人数は18人となる。
A.18人

最後に

これで過不足の問題・数学の1次方程式の解説をおわります。この解説は、次の前提を理解している子に向けて書かれています。

  • タイル図(面積図)が分かっていて、ちゃんと使える。
  • 等式の意味が分かっている。
  • 方程式が解ける。

タイル図(面積図)に触れたことがない子には、分かりにくいと思います。近くタイル図について説明テキストをアップします。