ひき算のくりさがりの9つの方法

小学1年生の計算のターニングポイントとなる「20より小さい数のひき算くり下がり」。もしお子さんが躓いた場合は、別のやり方を探ってみてもいいと思います。この記事ではひき算のくり下がりの9つの方法をご紹介します。

上から順に一般的な方法からご紹介します。

減加法

もっとも一般的なやり方です。13-8において一の位で3-8ができないとき、10-8=2とひき算をします。その後にその答の2と3をたします(3+2=5)。10の補数(5パターン)をしっかり覚えることが大切です。

この方法のメリット・デメリット

  • 10の補数のひき算とたし算なので簡単にできる。
  • 最も一般的なやり方なので誰でも教えられる。
  • 10の補数を身につけてないとできない。
  • ひき算なのにたし算が入っているので手順が混乱する。

さくらんぼ方式

2002年以降から教科書に採用された数を分解するやり方です。その分解がさくらんぼに似ていることからこの名前がつきました。くり下がりのひき算では「ひかれる数を分解するやり方」と「ひく数を分解するやり方」があります。

ひかれる数を分解するさくらんぼ方式

減加法と考え方は同じです。減加法は頭の中で10-8を処理しますが、さくらんぼ計算ではしっかりさくらんぼとして数を分解します。

この方法のメリット・デメリット

  • 手順が具体的なのでハッキリわかりやすい。
  • さくらんぼを書くのがわずらわしい。
  • 10の補数を身につけてないとできない。
  • ひき算なのにたし算が入っているので手順が混乱する。

ひく数を分解するさくらんぼ方式

ひかれる数の一の位に合わせて、ひく数を同じ数に分解してひき算をします。分解さえできれば、1回目のひき算は必ず10になるので、ひき算としては楽です。

この方法のメリット・デメリット

  • 手順が具体的なのでハッキリわかりやすい。
  • ひき算・ひき算と続くので本来の操作と同じになる。
  • さくらんぼを書くのがわずらわしい。
  • 10の補数を身につけてないとできない。

減減法

くり下がりのひき算で2回のひき算を使うやり方です。「ひかれる数」をひいていくやり方と、1度ひく数をひいてからひかれる数をひくやり方があります。

ひかれる数の減減法

ひかれる数の一の位の数をひけるところまでひきます。3-8でひき算をやって、-5となります。その残りを10-5=5として計算します。

ひく数がへる減減法

ひかれる数の一の位の数をひけるところまでひいてみて、さらに10から残りのひく数をひく方法です。

指おり法

10の補数が覚えられない場合、指を使って計算をする指折り法が効果的です。「ひかれる数を折るやり方」と「ひく数を折るやり方」があります。

ひかれる数の指折り法

ひかれる数の一の位を指で立てます。そしてひく数を1から声に合わせて、指を折っていきます。全て指が折れたところで、両手で10を作ります。続けて声に合わせて、指を折っていきます。声がひく数になったとき、立っている指の数が答です。

ひく数の指折り法

ひく数を指で立てます。そしてひかれる数の次の数から小さい方へ数を唱えながら、指を折っていきます。全ての指が折れた時に唱えた数が答です。

暗記法

くり下がりの計算は36パターンあります。補数関係でいえば20パターンです。これを全て覚えてしまうやり方です。くり下がりの過程が難しく、暗記が得意なお子さんがよくやります。

11→(2と9),(3と8),(4と7),(5と6)
12→(3と9),(4と8),(5と7),(6と6)
13→(4と9),(5と8),(6と7)
14→(5と9),(6と8),(7と7)
15→(6と9),(7と8)
16→(7と9),(8と8)
17→(8と9)
18→(9と9)

両加減法

ひき算には、ひかれる数とひく数をそれぞれ同数を足しても(ひいても)答は同じになる性質があります。8はあと2足せば10になります。そこでひかれる数13とひく数8にそれぞれ2を足します。くり下がりのひき算そのものを避ける方法です。


ひき算はたくさんのくり下がりの処理があります。まずは一般的な減加法を身につけるように心がけてください。それがどうしても難しい場合、他のやり方を検討してみていいと思います。

大切なことは、お子さんに最も無理がかからない方法です。お子さんと相談しながら慎重に選んでみてもいいと思います。

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