習熟度別授業に必要なこと

習熟度授業において指導成果が「先生の教え方」が大きな要因であることは間違いありません。ただその教え方を培うための必要なものは何か?ぼくなりに考えてみました。

09年03月24日の朝日新聞・朝刊に掲載されていたものです。記事の見出しをみて、驚かれた方もいるかと思います。この記事の冒頭を抜粋します。

勉強の程度に応じて子どもたちをグループ分けして教える「習熟度別少人数授業」。きめ細やかな指導法として各地で導入されているが、勉強の進んでいないこの学力向上につながっていないケースが少なくないことが、30日の文部科学省の調査結果で分かった。《記事より抜粋》

この記事で私が注視したところは最後でした。浅沼教授によるコメントです。

効果の出ている学校をみると、低学力層は10人ぐらいのグループにし、教材や教え方も変えている。子ども1人1人の性格にあわせて声のかけ方まで変えている。《記事より抜粋》

確かに、そうしないと駄目だろう…と私も思います。
そして文部省担当者のコメントで記事の最後をしめています。

効果が出るかどうかは、結局、先生がどうゆう方法で教えているかによるのではないか。
《記事より抜粋》

とても手厳しい2者のコメントです。残念ながらその通りだといわざる終えません。

いわゆる低学力層と言われてきた子どもたち。 私がこの層に所属する子ども達を教えてきて思うのは、従来の教え方(それは教科書に載っている内容も含めて)は合わないです。

これは低学力層の子達が『学習能力が低い』という意味ではありません。 低学力層の子の中には、とてもじっくりと物事を考える子もいます。また、少しでも分からないことがあると、先に進めない子もいます。 それは今の学習環境に対して合わない。その子たちの学び方が異なるだけです。

では、これは先生達の問題でしょうか?

先生達の事情

確かに効果が出るかどうかは先生の教え方次第となりますが、私は効果がなかった学校の先生らを非難したくありません。

現在の学校の教育現場は雑務が大半を占めるそうです。 それに追われるばかりで、メインの授業準備が十分にできないことも多いとか。授業を模索できる時間が今の先生達にはあるのか?そこが習熟度別授業の要なので、そういったところもよく考える必要がありそうです。

先生達に問題の責任を押付けられません。先生らに授業準備時間を割いての業務をあたえる学校組織の問題、しいては統括する文部科学省の問題と言えるでしょう。

最後に

習熟度別授業はいいことだと思います。子ども、先生どちらにとってもメリットは大きいです。その良さを十分に発揮できるように、文科省は、その授業のための土台ずくりに目を向けて、業務改善のサポートをして欲しいと思います。