授業中の“お茶休息”の意外な効果について

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家庭教師を迎える家庭ならではの悩みは“お茶休憩の有無”です。ここでは“先生への配慮”という視点ではなく“お茶菓子(休憩)のあるなしで授業がどう変わるのか”を元にその効果や成果を書いてみました。


授業中の“お茶休息”の意外な効果について

■お茶休憩について不要論が優勢
お茶休憩とは、授業の中ごろに飲み物とお菓子などを親御さんが用意して、そこで5〜10分ほどお子さんと先生でおしゃべりしながら休息をとるというもの。このお茶休憩についていえば、プロ家庭教師の業界では不要論がとても根強いです。
それは家庭教師の目的が「授業」にあるからです。授業時間を少しでも長くとりたい=お茶休憩など勿体ないがというわけです。たしかにその通りなのですが、これはあくまで「ドンドン教えることで成果が得られる」場合の話です。
実際は休憩なしで教え続けたからといって、欲している成果(成績とか)が得られるとは限りません。休憩を挟み互いの協和感を育みながら授業を進めた方が、欲している成果を得ることもあります。
■食が与える心理作用
食に関する心理効果で『ランチョンテクニック(心理学者のグレゴリー・ラズラン)』というものがあります。これは“食を共にした者同士は、互いに好感を持つ”というもの。

※学校の先生が教室で子どもたちと給食をするのはそのためだそうです。

たしかにクッキーを交えながらの10分の会話が、心をオープンにして後の授業にいい影響を与えることはぼくの授業にもよくあります。
また、お茶休息を通じて、意外な成果(発見)が得られることもあります。
こういったお茶休息の間には学校のことや友達関係、親子関係の悩みなどの相談を子どもからうけることもあります。
授業の成績上昇だけに目を奪われていると、日常生活に潜むこどもの重要なサインを見逃すことにもなります。ですからお茶休息不要が必ずしも正しいというわけではないのです。
■お茶休憩がいらない子、必要な子の条件
ただし、だからといって誰もがお茶休息が必要な訳ではありません。まず、お茶休憩を必要としない子は以下の通りです。

・学習成果をあげることを本気で望んでいる子。
・2時間続きの授業に耐えられる子。

こういった子は休息はなしでOKです。休息を与えると寧ろ可哀想です。
また比較的お茶休憩を入れた方が成果を生みやすい子についてもまとめておきます。

・不登校の子
・おしゃべりな子
・極度に苦手な教科を学習する子
・親子関係が上手くいってない子

ここでいう成果とは多種多様です。
その成果に共通するものは、先生との会話によって頭の中身を発散させることで、上手く前に進める機会があるということです。
■追記1
現在ぼくが教えている定期指導13名の中で、お茶休憩をとっているのは半分の6名ほどです。まぁ大体それぐらいです。
■追記2
お茶休憩といっても5〜10分程度を目安にすべきでしょう。なにか子どもから相談があれば、延長すればいいと思います。

古い鞄:懐かしい風景で、とても惹かれて撮影。岩手県北上の民家園の博物館展示です。