公式を覚えなければ問題が解けない。数学において公式を覚えて扱えることは大切なことですが、数学が苦手な子たちには覚えても問題演習の場面では出来ないことが多いです。その理由と指導方法を説明します。
■公式さえ覚えればいいのでは?
公式を覚えなければ、出来ない問題があるのは確かです。
高等数学になればそういった場面は頻繁に出てきます。
ただしこれを覚えてさえいれば、出来るわけでもありません。
特に数学が苦手な子たちは、公式を覚えることまでは出来るのですが、それから問題演習という場面になると手も足も出ないことも多いです。
出来なかった問題の解説を聞いて、そうやるのかぁ~と納得し解き方として記憶しても、
また別の問題で使う場面に遭遇しても思いつかないこともあります。
■使えないのは練習量か?
先生方の立場からみれば、使う場面で使えないのは問題練習量が足りないからだ、思われる方が多いと思います。こういったものは問題を繰り返すことで身につく数学センスにあたる!と信じられているからです。
たしかに練習問題の足りなさが原因ともいえます。
ただその問題練習の前に指導のポイントを抑えるだけで、数学が苦手な子も問題演習の中で公式を上手く使えることがあります。
そのポイントとは、実に簡単なことです。
■公式の機能を具体的に説明する。
例えばサインとコサインの関係を表す公式があります。
sin2θ+cos2θ=1
この公式をいくら論理的に分かりやすく説明しても、
実際に問題演習で使えない子はいます。
その使えない理由は
「だからそれがどうしたんだ?」
と疑問に思っていることが多いのです。
ですから公式の成り立ちを説明した後には、
すぐに具体的にそれがどのような場面で適用できるのか?
そこまで話してあげるのです。
「同じθの角で、そのサインとコサインは
必ずこの関係が成り立ちます。
この公式はサインの2乗をコサインの2乗に変えたり、
コサインの2乗をサインの2乗に変えることができる
とても画期的な関係式です。」
このように公式で何が出来るのか、
そこまでちゃんと説明してあげれば、
子供たちは「ナルホド!」と納得できますし、
問題演習でも視点が定まります。
「サインやコサインの2乗を変換したいとき
この公式を使えばいい。」
このように公式の適用を知識として理解せず、
使い方を理解し場面で判断させるように導く。
公式を覚えているかどうかより、
これを理解できているかどうかが大切だと思います。
かれい川駅:明治時代に建造された駅舎。今でも現役です。駅長さんの部屋は明治レトロな香りが漂います。はい、この駅に住みたいです。