3歳の息子と電車にのれば、おしゃべりな彼はペチャクチャと話しだします。飲食店に行くと一時すれば席から離れようとします。落ち着きのない3歳をどのように席に座らせるか?そのアプローチを説明します。
山手線を乗って窓の外を眺めて、
東北新幹線が併走している姿が見えれば
それに興奮しない3歳児男子はまずいません。
あの緑の山手線に乗るだけでも興奮状態なのに、
それに加えて3歳児の夢のヒーロー東北新幹線が
「やぁ!ぼうや。僕と一緒に走らないか?」
なんて併走して声をかけてくれるようなもの。
こうなると3歳児のアドレナリンは
脳内でナイル河の洪水のように氾濫し、
血中に放出されると心拍数は間違いなく最大級となるのです。
そうなるとどんなコーチでも3歳児の興奮を抑えることは難しい。
ただこんな僕も山手線に乗っている息子ぐらいなら、どうにか静かにさせるアプローチを発見しました。
■状況の説明は伝わらない。
それは静かにするように説得をするものではありません。
3歳児に
「ここは静かにするところなの!
みんなの迷惑になるでしょ!」
といってもまず言うことは聞きません。
状況を直接的に説明しても子どもはそれを把握し、
行動を止めて、正すことが出来ない。
あまりしつこく言えば、泣き出してしまいさらに周りの方にご迷惑をおかけする運命になります。
※車内で走る子やふざける子を制しないのは親の責任ですが、車内で子供が泣き出す迷惑行為ぐらいは大目に見てほしいと思います。
というわけで状況説明はいくらしても無駄と思いました。
■周りを観察する。
そこで僕が発見したアプローチはこういうものです。
大したことはありません。
<視線を合わせて、2人で周りを観察する。>
たとえば騒ぐ息子と視線を合わせて、ゆっくりと車内を見渡す。
「見てあのおばちゃん、静かに本を読んでいるね。」
「うん。」
「あ、あのお兄ちゃんも静かにお座りしているね。」
「うん、してるね。」
「あんな小さな赤ちゃんも、静かにおねんねしているね。」
「うん。」
「ナオも、静かにお外を眺めるているんだね。」
「うん。」
そして息子は得意げに声を潜めて、外の風景を僕に説明してくれました。コーチング成功!
このアプローチをセールスマンの方々が聞いたら「YES誘導法」だな、と思うかもしれません。
YES誘導法とは、応え易い回答を用意して、ドンドンYesを引き出し、結局NOを言わなくさせるというもの。
(普段、子供のコーチングでこの誘導法を使うことはまずありません。)
■意外なものからヒントを得た。
確かにその誘導法の要素もあるかもしれません。
しかし僕がこのアプローチを思いついたのは、そのような心理テクニックの知識ではありません。
いつも息子に読んであげている絵本たちによるものでした。
絵本とは、テンポよく世界を観察し、その世界を肯定するものです。
絵本を読む子供は不思議なもので、
読んでいく中で受け入れる中で、自分の我侭も消えてしまうのです。
その絵本の流れを、僕はただ周りの風景に持ってきただけ。
決して大したアプローチではないのですが、説得するよりもずっと心に届くようです。
3歳児限定のアプローチかもしれません。
日南線:この写真は日南線(最南西端の路線)の旅行のときのもの。乗り物絵本は3歳児男子の必携アイテムです。