被災者たちの力強さを知った。

「上手い美容師って
 東北出身者が多いんですよ。
 なぜだか、分かります?」
美容師の店長が私に言いました。
私はしばらく考えて、
美容師に必要な感性を東北出身者が持っているから!
と自信たっぷりに言いました。
すると店長は少し笑って
「東北出身者はみな“粘り”があるんです。」
美容師とは体力と経験がものをいう世界。
だから求められるのはセンス以上に
仕事に対してコツコツこなす粘りだというのです。
コツコツ粘り強く仕事を続ければ、
その後に上手い美容師になるということです。
店長は誇らしげに説明してくれました。
私はこの話にとても感心しました。
■地震被災者の粘り
私は被災の報道を新聞でよみながら、
この美容師の話を思い浮かべています。
その被災者たちの精神的強さ…
それはどんな困難にも負けない粘りなのでしょう。
もちろん深く傷ついているはずです。
心はズタズタなはずです。
しかし不満や不安を外に発散するのではなく、
薄い毛布に包まってじっと耐えている。
私はこの地域が育んだ粘り強さをみると、
この人たちと同じ国民であることに
大きな誇りを感じています。
■万人単位の被害…
目を伏せたくなる数字が飛び込んできます。
まだ安否不明の人はいますが、
きっと生きている人はたくさんいると思います。
粘りある精神性を持ち合わせているのですから。
一人でも多くの命が
救われることを願います。