普段、何気なく使っているからこそ意識しませんが、たし算は「同じ種類で行う・同じ単位で行う」といった基本原則があります。この記事ではその原則について例を挙げて説明します。
高校生もつまずくたし算
小学1年生ではじめて学ぶたし算。
ほとんどの子が「簡単簡単!」と言います。この時、この単元でつまづく子はあまりいません。
しかし年齢が上の中高校生で、このたし算(正確には項をまとめる)でつまずく子がいます。
その子たちに共通しているのは「たし算の原則」が身についていない。
小学校1年から学ぶ「たし算の原則」を軸に、たし算のポイントを説明します。
原則1たし算は「同じ種類」でしかできない
考えてみると当たり前のことですが、あまり意識されないことです。ピンとこなかった方のために、問題を参考に説明します。
[問題]3kgの石に4mのひもを巻きました。重さは何kgになりますか。
石にひもを巻くことはできますし、それによって重くなることも分かります。しかしこれを
3kg+4m=7kg
とたし算にすることはできません。2つの量は<重さ>と<長さ>だからです。
種類が同じものでしか、たし算は成立しません。当たり前のことですがお子さんの中にはこの原則が分からない子もいます。
原則2:たし算は「同じ単位」でしかできない
原則1と似ていますが、原則2はたし算の計算についての。これも問題を参考にしながら説明します。
お百姓さんは4aの畑を持っています。この夏、15㎡の畑をゆずりうけました。お百姓さんの畑は何aになりましたか。
上記で出てくる単位aも㎡も面積を示す単位です。問題はこの2つの単位の合計を尋ねていますから、たし算が可能です。式はこうなります。
4a+15㎡
しかしです。だからといって以下のようにはなりません。
4+15=19a
なぜなら貰った畑の単位は15㎡だからです。この問いは、何aですか?と尋ねています。
ですから計算の段階で15㎡を0.15aという単位に変換します。
4a+0.15a=4.15a
答は4.15aです。このようにたし算は、単位が揃ってから計算が可能なのです。
まとめ「目で確かめて学ぶ姿勢」を大切に
たし算ははじめに学ぶ演算です。まだ10進法の理解もままならない中で学びますので、躓くのは当然と言えます。
たとえば、原則1の問題
3kgの石に4mのひもを巻きました。重さは何kgになりますか。
この問題において、子どもは当たり前のように「7kg」と答えることがあります。
そんなときハラハラしながら口で説明せず、実際に3kgの石と4mのひもを持って、ちゃんと確かめてみればいいと思います。(もちろん、もっと身近な問題に置き換えてもいいでしょう)
実際にそれを目の前にして「あ、そうか!」と気づいてもらうことが何よりも大きな学びでしょう。