「デジタル機器は新しい文房具」の時代

勉強に遅れをとっている子・特性が生活に影響を与えている子こそ、できるだけデジタル機器を使った方がいいと思っています。しかしデジタル機器そのものに誤解があります。それについて書きました。

デジタルの差は学習の差

デジタルデバイドという言葉をご存知ですか。デジタルデバイド[digital divide]とは、パソコンやインターネットなどの情報技術(IT技術)を使いこなせる者と使いこなせない者の間に生じる待遇・貧富・機会の格差を言うそうです。

このデジタル技術を使いこなせるーデジタルスキルを身につけるーことの重要性、社会人となる大人の話と思われがちです。しかし今の時代、子どもにとってもデジタルスキルの有無は、学習の大きさ差と言えそうです。

スキルどころじゃない?

しかしこの話を保護者の方々にしたら「毎日の学習を続けるだけでいっぱいです。スキルを身につける時間がなくて」と言われました。そこでハッとしました。

これはスキルを学ぶ話ではありません。
デジタル機器という文房具を借りる話です。それまで1時間かかっていたことを、新しい文房具で30分間でやりましょうよ、と言うことです。デジタル機器とかスキルとかなんだか難しそうですが、決して難しくはありません。ある一部の機能を取り入れると余計なことで手間をとることなく、大きな学習効果を生みますよ、という話です。

わかりやすく、作文を文書作成ソフトで書く例をだします。
キーボードの配列(ローマ字入力)を覚えていない場合、1文字1文字をうつのに時間がかかります。慣れてくるとポンポンとなりますが、それでも一定のスピードになるまでに、時間はかかるでしょう。ここに導入の壁を感じます。

しかしそういうときは「音声入力」を使えばいいでしょう。
今のデジタル機器は、音声を聞き取り文字に変換してくれる機能があります。これは代筆してくれる人をそこに用意することと同じ。とても楽です。これが取り入れ方次第です。

このような「音声入力」を知っていると知らないの差は大きいでしょう。文字を書くのが苦手な子が、必死に一文字ずつ書いて消している一方で、別な子はそこを免除して文章の内容に集中して音声で書くことができます。

作文の目的は、手書きでますを埋めることではありません。本人が思うような文章を書くことです。それ実践している・していないの差は、作文における学習成果に大きな差をうむはずです。

これがこどもの学習におけるデジタルデバイドの一例です。

※文書作成ソフトと手書きの違いを下の表にまとめました。

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特に学習特性に偏りがあるお子さんは、それまで学習上の問題としてたちはだかっていたものを一気に解決してくれます。しかし今の教育現場では、取り入れられる機会はまだまだ少ないです。だからこそ、家庭学習のなかで積極的に取り入れていき、家庭の方から学校へ提案して学習改善に取り組む方法をとるといいでしょう。

こういった学びの変革は「学び方」だけではありません。
デジタル世界の上に立ち「何を学ぶか?」ということも実に大切だと思います。それについては別の機会に書きたいです。

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