子どもが試験結果に対して消極的な状況で、親からかけられる言葉はなかなか見つかりません。今回は難しい状況での子どものやる気を促す小さな声かけ声かけを紹介します。
■勉強はしているが自信がない状況
苦手教科等はいつもより勉強を頑張っても、本当に上がるかどうか分からないものです。傍から見ていて、とても頑張っている様でも、本人は全く自信がない状態は珍しくありません。
このような場合、「期待しているよ!」はタブーです。
「楽しみだね。」という声かけも本人が不安な状態なので使えません。
声をかける状況として、なかなか難しいのです。
このような時どのように声かけをすればいいのか?
僕はこんな感じで一言を添えています。
「今度の試験準備はどう?」
「正直、自信ないです。
この間も出来たと思ったら駄目だったし。」
「成果は思い通りにならないこともあるからね。」
「今度もどうなるか・・・分からないです。」
「そうか・・・分からないよな。
じゃ、試験終わったらその感触とか聞かせてくれよ。」
「はい、了解です。」
とこんな感じ。
この会話にアレ?と思った方もいるかもしれません。
これ何の励ましとか言ってない・・・と。
そうです。
特に期待や楽しみといったこちらの気持ちを一切伝えていません。その代わりに“試験終わったらその感触とか聞かせてくれよ。”とお願いをしています。そう、これなのです。
自信がない場面では、報告をお願いする。
これだけです。子どもの心境を考えれば、内容に関することはタブーです。とにかく今は全く自信がない。
でも気にかけられることが嫌は子はいません。ですから、ここで試験後の報告を依頼することで、実は気にかけている心を暗に伝えているのです。これも大切なコーチングになります。
■全く勉強していない状況
これが一番難しい状況と言えるでしょう。
長く何年もマンツーマンで教えていると、当然、全く勉強をしない子はいます。
こういった場合、まずその場で一緒に勉強をします。
このような状況ではたとえどんなに小さなことでも、どんなに短い時間でもかまいません。試験の山カンを2人で働かせながら勉強するのです。
(その時「この問題ができたら5点獲得かな!」といった試験の点数を、その場で積み上げていくように先導すると、集中しますし、ワクワクします。」
そして試験勉強を終わったら、このような声かけをします。
「明日の試験、面白くなりそうだね。」
試験直前の勉強。しかもこれは山カンなので、大きな点数は期待できません。ただ何もしなかった時よりも、ちょっとは変わっていると思えます。
結果そのものよりも変化が起こるのではないか?という期待に焦点を絞るのです。
実はこのワクワク感こそが、全く勉強をしていない状況打破のキッカケになります。
ちなみにこの状況では、返却された試験結果はやはり平均以下ということが多いと思います。
そこでは平均点等には全く触れず、
その時集中したことで何が変わったのか?
ここに意識を持って行くように促します。
「おぉ!あの山勘でここも正解してるよ。
前日の山勘で13点も上がったね。
やって良かったね。」
とやったことについて労うのです。
そうすることで子どもの心の中に、小さな良い変化が起こるのです。
珍しい自販機:コインランドーリーに見えて実は野菜の自動販売機。近代型無人販売機といった感じがします。