算数数学で躓く第1ステップ-教える前の促し方

算数が苦手な子に対して教える場合、情熱をもって教えるでもなく、何度も分かるまで教えるでもなく、解法テクニックを伝授するでもなく、教える前に行ったちょっと変わった関り方だけで分かることがあります。その話です。


体験授業を済ませた後。
“分かった!”の言葉を息子K君から聞いて
親御さんが僕に尋ねました。
「先生!どうやって教えたのですか?」
シンプルであればあるほど、
教えている僕としては複雑です。
■その前の段階
「大したことはやっていません。」
「やっぱり図と色で教えたから
 分かったのでしょうか?」
きっと凄い教え方があるのだろう、
そう思って尋ねられるときほど辛いものはありません。
「確かに図は使いましたが、
 躓きの原因は別です。」
「別?」
こういう時、僕もなかなか言いにくい。でも正直に。
■彼への1つのお願い。
僕が授業で行ったことは簡単です。
「僕に問題を聞かせて下さい。」
僕はK君にお願いしたのです。
K君は快く塾のテキストの問題を
僕に読み聞かせてくれました。
「ある学級の生徒33人を・・・」
「はい、33人」
「3人の班と5人の班に分けて・・・」
「なるほど、分けたんだね。」
「そして・・・」
という作業を繰り返したのです。
時折、メモをとることはありましたが、
基本的に僕は彼の言葉に耳を傾ける。
ただそれだけでした。
「先生!今、分かりました!
 (読むのを止めても)いいですか?」
「どうぞ」
そしてK君はガリガリとノートに書き始めて、
僕はそれを横目で見ている。
答え合わせをするとノートの答えと
解答がみごとに一致。
「先生に読んでいたら、急に分かりました!」
と満足な笑顔のK君。
そう、分かる為にすべきことは、必ずしも教えるではないのです。