年令算の問題[算数・慶応義塾中等部]

【問題】
太郎君の年令はお母さんの年令の1/6です。お父さんの年令とお母さんの年令の和は82才です。2年後には、太郎君の年令はお父さんの年令の1/6になります。太郎君は何才ですか。
慶応義塾中等部 入試問題


【解説】
■1.問題文に線をひく
いつものように問題文を3回は読みます。
「何が、どうして、どうなるか?」に注目します。
<何が><どうなる?>の部分に線を引きます。
太郎君の年令お母さんの年令の1/6です。①
お父さんの年令とお母さんの年令の和82才です。②
2年後には、太郎君の年令お父さんの年令の1/6になります。③
太郎君は何才ですか。

線でいっぱいになりましたが、ポイントは①~③の3点のようです。
さっそく図であらわします。
■2-1.線分図をかく

登場人物は父・母・太郎の3人だな。
問題は太郎の年令か。
まずは、1本たて線をひいて黒点●を書こう。
ここが今にあたる線分図のスタートの点だ!
■2-2.線分図をかく(問題ポイント①)

[太郎君の年令お母さんの年令の1/6です。]
お母さんの年令を1としたとき、
太郎の年令は1/6にあたるんだな。
問題が聞いているのは、太郎の年令だな。
□才と書き込んで、線も太くしておこう。
■2-3.線分図をかく(問題ポイント②)

[お父さんの年令とお母さんの年令の和82才です。]
父の線分図はまだ書いていないな。
だから少し線分から間をあけて、
82才と書いておこう。
■2-4.線分図をかく(問題ポイント③)

[2年後には、太郎君の年令お父さんの年令の1/6になります。]
こんどは2年後の話か・・・複雑になってきたな。
2年後にはみんな、同じように年をとる。
だから今の黒点●より右側に、2年後のたて線を引こう。
そうそう。
3人のたて線の間に、2年と書かないと忘れそうだな。
(※解説画像では、太郎君の1/6が抜けています。申し訳ありません。)
■2-5.線分図をかく(問題ポイント③_2)

[2年後には、太 郎君の年令お父さんの年令の1/6になります。]
えっと、これは2年後の話だな。
さっきのお母さんとの1/6とこの1/6はもとにする数が違うぞ。
頭がゴチャゴチャなるからなぁ。
分かりやすく色を変えて書き込もう。
お父さんを1としたときに、太郎はその1/6にあたるのか。
ということは、お父さんの線分 ・・・ずいぶんと長くなるぞ。
ここまでが問題文→線分図の書き起こし部分です。
次から実際の答探りになります。
■3-1.図をさぐる【比に変えよう!】

さて、答を探ろう・・・と思うんだけれど。
割合の分数はなんかイヤだなぁ。
ここでは整数の比に直してしまおう。
するとキレイに整理されたな。
ふむふむ・・・なんか解けそうな気がしてきた。
■3-2.図をさぐる

の部分に注目してみよう。
は(①+2年)と同じというわけか。
ということは・・・お父さんのの部分は、この6倍にあたるんだな?
ここでお父さんのをお母さんの比で表してみよう。
(①+2年)×6=⑥+12年
これを線分にさらに書き込もう。

■3-3.図をさぐる

お父さんの12年を書き込んで、
何か分かるところは・・・
あ、お父さんとお母さんの年令差が分かる!
12年-2年=10年
この10年も書き込んでおこう。
ここからまた分かるかもしれない。
(それにしても年の差があるお父さん・お母さんだなぁ。)
■3-4.図をさぐる

そうだ。
お父さんとお母さんの年を合わせて82才だ!
これちょっと忘れそうだった。
合わせて82才だから、
さっき求めた10年を考えると・・・
比の部分の合計年令が、ひき算で出るぞ。

82才-10才(年)=72才
だいぶ分かってきたぞ。
あともう少しだな。
■3-5.図をさぐる

比の部分の合計が72才。
それを父の⑥と母の⑥で分けている。
ということは
⑥+⑥=⑫
となって、
72才を比の⑫で分けているのか。
だから・・・比①あたり何才かな?
72÷12=6
①は6才ということが分かった。
えっと・・・
①が6才だから・・・これが答!!
答.太郎 6才
■4.図をさぐる
これで年令算の解説は終了です。
この問題は、
年令算の線分の書き方のコツが分かる
割合を比に変換できる。
和差算等の考え方が分かる。
という子を前提に解説しました。
大変長くなりました。