どうして指を使わないんだろう?と思うんです。たし算だけでなく、かけ算などでもミスしてしまうのは「繰り上りの処理」。そこで無理に暗算をさせる必要はありません。むしろ正しい「指折り法」を早めに身につけるべきでしょう。
ストレスが大きい暗算
たし算の繰り上りが苦手なお子さんにとって、繰上げをするときの脳内のストレス。これは自然に繰り上りができる人たちの想像をはるかに超えています。
その繰り上りがかけ算筆算の場面となると、もっと大変です。かけ算の筆算は「九九の計算」と「たし算」を交互に行なうため、計算を益々難しくしています。
この計算ストレスをどう処理すべきか?ここでぼくが提案したいのは「指折り法」という簡単な対処法です。
脳内ストレスを軽減する「指折り法」
オススメする理由は、後に述べますので、まず手順をごらん下さい。
- 繰り上げの数を小さく上に書く
- 繰り上げの小さな数を指で作る
- 次のかけ算を唱える
- 唱えた数に指を折りながら加える
- 繰り上りの数を次の上に書く
以上です。まさに指折り。これをお勧めすると、保護者から「指を使うんですか…」と少し反応が鈍く。まぁみてくれはカッコ悪いです。それにゆび計算は、算数教育の中で言わば禁じ手ですね。
しかし計算が不得意な子ー詳しくいうと数を分解して足したりすることができない子ーについて限定すれば、これは非常に優れた処理法です。その理由を2つ述べます。
脳内ストレスが極めて低い
九九を唱えた後に、たし算をする。この切り替えが脳に負担をかけます。
そこで指の数だけ数を唱えるという運動で処理する。すると脳に負担がかかりません。
正確性が増す
数え間違いがあるのではないか?と懸念されます。確かに数え間違えはあります。しかし多くの子は、頭の中で暗算するのと比べて正解率がいい。
この2つの理由から、長い時間の計算練習もできるようになり、結果「計算の学習量」も増えるのです。
最後に
お子さんが指計算を使っていたら、無理に止めさせる必要はないです。寧ろ、正しく指折りができるようにサポートしてあげた方がいいでしょう。
指折り法を使うとずっと使い続けるのではないか?と懸念もあるかもしれませんが、脳ストレスがなくなれば、これは自然と使わなくなります。
全身を使って算数をする。これが大事です。