計算が不得意な子は「わり算筆算の商たて位置を決める動作」を身につけよう

わり算の筆算は簡単そうで難しい。筆算手続きの躓きとして「はじめの商をたてる位置が分からない」があります。それを解決する「商たてを決める動作」について説明します。

子どもはどこで躓くのか?

たてる位置の決定_手順00

上のような筆算では、45をわるときの商たては5の上に書きます。これを多くの人は直感的に処理できます。

しかし、わり算を学び始めたばかりの小学4年生や、手続きが身につきにくい子にとって「4の上か、5の上か…」判断がつきません。その判断方法を身につけるのです。それでは説明します。

「わられる数の最上位以外」を右手人差し指で隠す

たてる位置の決定_手順01
右手人差し指で、割られる数の最上位だけを残して隠します。

わられる数45の最上位は4です。それ以外の数(ここでは5だけです)を右指で隠します。

そしてわる数の「6」とわられる数「4」をみて、どちらが大きいか考えます。わる数6が大きい。そこで次の段階へ。

わられる数の桁数を大きくして比べる

たてる位置の決定_手順02
左手の人差し指を右にずらします。

わる数「6」より小さい、わられる数「4」。ここで右人差し指を右にひとつずらして、1の位の数「5」をだします。これでわられる数は45となりました。

ここでわる数「6」とわられる数「45」を比べます。すると45が大きいと分かります。

最初のたてる位に目印を打つ

たてる位置の決定_手順03
右人差し指の「ななめ左上」に点を打ちます。

5を出してわられる数が大きくなりました。ここで数字「5」の上に、点を打ちます。

たてる位置の決定_手順04
点を打った位から「商をたてる」が始まります。

この点の下、つまり5の上のところがわられる数の最初の位置です。ここに点を打ちます。ここが最初の商をたてる位置です。以上です。

その後の発展である÷2桁(4年生後半)ではこのようになります。

÷2桁で使う場面

たてる位置の決定(÷2桁)_手順01

わる数「21」とわられる数「1」を比べるとわる数が大きいです。次に移ります。

たてる位置の決定(÷2桁)_手順02

わる数「21」とわられる数「17」を比べると、まだわる数が大きいです。次に移ります。

たてる位置の決定(÷2桁)_手順03

わる数「21」とわられる数「179」を比べると、やっとわられる数が大きいです。ここで打点します。

たてる位置の決定(÷2桁)_手順04

これでたてる位置が決まりました。

打点なんて要らないじゃないか?

と思われるかもしれません。しかし計算が不得意な子の多くは、例えば1の位の上に立てると思っても、商の検討をつけている間にどこにたてるか忘れてしまいます。それを防ぐ意味合いもあります。

最後に

商をたてる位置を決める打点は、各手順のベンチマークでもあります。桁が大きくなると、子どもにとって筆算手順の難易度が上がりますので、是非、はじめの簡単な筆算の段階(2桁÷1桁)で身につけてみて下さい。

もちろん、身につけたけれど打たなくてもできるようになったのであれば、止めて一向に構いません。