公立中2年(私立1年)で学ぶ連立方程式「代入法」は、その情報量と手順の多さで躓きが続出します。
子どもたちは「連立方程式-加減法」を終えたばかりなのに、気がつけば学校の黒板が「代入法」という違うものになっている。

ここで子どもたちは叫びます。
「どこに何を代入するの!」
「さっきの問題とぜーんぜん、違うんだけど!」
代入法でも「連立迷子」はあります。
この記事では、算数・数学が苦手な子を専門に教えてきた先生が、計算の混乱が生じやすい子への連立方程式(代入法)の教え方を丁寧に解説します。
代入法の迷子は「2回の代入操作」が原因
代入法には2回の代入があります。1回目は「式を丸ごと入れる」代入。2回目は「求められた解を上の式に入れる」代入。
教える側は「なんでここで?」と思いますが、それぞれ異なる種類の脳負荷があります。その脳負荷を避けるために、やるべきことは3つです。
- 視覚サポートの活用
- 脳負荷の少ないノートデザイン
- 出題のスモールステップ
さっそく、その迷子にならない代入法を解説します。
実際の授業の流れで説明
ノート1ページを使う
加減法と同じように、1問にノート1ページを使います。(かなり慣れてきたら1ページ2問でも構いません)
ノートの左上に2式をかきます。2式の隙間は「2行ほど」。この「2行の隙間」が、代入法でも大いに活躍します。

そしてすぐに手順を説明します。3つです。
- Y=,X=の右を()する
- 文字を線でつなぐ→代入(Xがわかる)
- 式に代入(Yがわかる)
大切なのは手順2です。それではやっていきましょう。
Y=,X=の右を()する
改めて、手順を確認します。
- Y=,X=の右を()する【←ココ】
- 文字を線でつなぐ→代入(Xがわかる)
- 式に代入(Yがわかる)
Y=,X=を探してみよう
えっと…Y=がありました
では=の右側をカッコでくくろう

ステップ1はこれだけです。では、次。ここからです。
文字を線でつなぐ→代入(Xがわかる)
改めて、手順を確認します。
- Y=,X=の右を()する
- 文字を線でつなぐ→代入(Xがわかる)【←ココ】
- 式に代入(Yがわかる)
つぎは文字を線でつなぐよ。Y=,X=の部分に色をぬって、別の式の同じ文字をつなぐ。
百聞は一見にしかずです。すぐにやってみせます。

ここは薄い蛍光ペンで繋ぎます。印象深くするためです。
式と式を2行空けた理由
もちろん「線」を書くためです。大きな字を書く子は3行あけるといいでしょう。
本人の様子を確認します。
YとYを繋ぐんですね
そう。この線を「道」と思ってください。
はい
次、この道を通って「車」が下の式に入ります。
車とは(2x-1)のことです。車(2x-1)が道をとおって、下の式のYへうつる。
すると、どうなるか?書きます。

レーザーポインタで(2x-1)をバスに見立てて、2度、3度とその操作を再現します。
わかりました
あとはこの方程式を解くんだ

なるほど、簡単ですね
道を作り、車をとめて、方程式を解く。このイメージを定着させます。
ここまでがステップ2です。さぁいよいよ、ラストスパートです。
式に代入(Yがわかる)
さて、手順の確認です。
- Y=,X=の右を()する
- 文字を線でつなぐ→代入(Xがわかる)
- 式に代入(Yがわかる)【←ココ】
最後にひと仕事です。代入する式(Y=2X−1)を解の下にかきます。
それに求めたXの値を代入します。そして計算します。

無事、XとYの値が出てきました。これで終了です。
ノート全体はこんな感じです。

つぎに練習に移ります。代入法のステップリストを横に並べてやっていきます。

お子さんは「Y=」が「…Y」となっています。意識はできているので「合格」です。

これも正解です。すばらしい★
さて、次のステップです。
一般の問題集等では「文字の種類や式の位置が変わるような違い」を特別に扱いません。しかし計算が苦手な子にとって、そのわずかな変化が全く別のものに見えたりします。
そこで出題のスモールステップです。
出題のスモールステップ
タイトル欄に「文字が変わったぞ!」と忠告します。
そのままスムーズにできれば、それでいいです。戸惑ったときには、合いの手をすこし出します。

やる流れは同じなのですぐにできるでしょう。
つぎは位置を変えた問題です。下の式から上の式へと代入します。
わずかな変化ですが、脳負荷が大きい子もいます。

そして間違えやすいのがこのパターンです。関数で使うパターンです。これも忠実に文字を繋げばいいのです。
「どっちが車ですか?」と尋ねられたら、「好きな方でいいよ」と答えてあげます。

これができたら、いよいよ連立方程式「加減法・代入法」の混合問題です。
どちらで解くのか?あらかじめ「加減・代入」の選択肢を用意します。




まとめ
いかがでしょうか。
ワーキングメモリに配慮した連立方程式「加減法」につづき、「代入法」も変わった点があったと思います。簡単にいえば、
脳負荷のかかる「式を代入する操作」を“道”と“車”のイメージで補うという感じです。
それによって「何をすればいいんだっけ?あ、そうだ。道と車だ」という感じで解決のフックがうまれます。
ぜひ、ワーキングメモリでお子さんが困っている、塾内で生徒さんが困っているようでしたら、この方法を試してみてください。


