算数学習に関する主なご相談への回答

このページでは、よくある算数学習の質問へ回答しています。「計算が苦手である・文章題ができないなど」などに対するみかん先生の考えをご参考ください。

基礎的な算数学習についての質問

Q.特定の計算が苦手です。

ある特定の手続き(繰り上がり・繰り下がり・九九暗記・かけ算わり算の筆算)ができない。または計算ミスをしてしまう。いくら練習してもスピードが早くなりません。

原因となる特性に配慮した適切な対応するといいでしょう。

計算は、一般的に練習を重ねるとはやくなります。しかしその効果は計算力を支える各能力に影響されます。

いくつかの能力が弱いと計算手続きを身につけにくくなり、また計算ミスが生じやすくなります。

その計算に関わると推定される「能力」や「特性」を、まとめたものが以下になります。

暗算処理

  • 数の推量イメージの確かさ
  • 聴覚記憶の一時保持力の強さ

目・手の動き

  • 視覚情報の読みとり力
  • 目と手の共応運動
  • 手の運動機能の正確さ

正確さ

  • 衝動性の少なさ
  • 注意欠陥の少なさ
  • 集中力の高さ

これらの能力・特性に適切な対応を行なうことが大切です。また、計算処理のやり方そのものを見直し、お子さんにあったやり方を選ぶことも必要です。

ただ、あまりに計算の正確さやスピードが気になりだすと、学習時間の多くをその練習に割いてしまいがちです。1日の計算練習時間は15分未満が適当です。くれぐれもご注意下さい。

Q.文章題ができません。

文章を読んでも式が思い浮かばない。問題を読む気にもならない。など計算はできるけど文章題の取組みが困難ない。

文章題のどの部分が不得意か特定し、それを支援(又は強化)しましょう。

「文章題を解く」ためには、様々な力を使います。しかし具体的にどの様な能力が用いられているのか、現在の学術研究でもまだ解明できておりません。

しかし文章題を解くという過程や文章題の種類(四則パターン・数量状況の違い…など)から、不得意とする文章題の傾向はつかめます。時間をかければ「これが不得意だな」と特定できます。

そのうえで、具体的な学習への支援(文章の変換・イメージ補助・演算の判断凡例など)へつなげていくと、それまでできなかった文章題もできるようになるでしょう。

ただ「まだできない文章題があるのも当然」という考え方も知ってほしいです。お子さんの発達状況において、学習の受け皿がないことも考えられます。そこを踏まえて、取り組む時期を少しずらしてみることも大切です。


Q.算数全般を理解できません。

何を、どの程度、身につけるか。整理して取り組みましょう。

お子さんによっては単元のすべてを理解し習得することが難しいこともあります。このような時に大切なのは「何を、どの程度、身につけるか」です。

例えば、算数における「単位」は重要な単元です。
同じ量を異なる単位で表現できる(0.3Lは3dLと同じ量である)ことを分かることは大切です。

しかし単位変換はどうでしょう。
単位表をみて変換ができるのであれば、すでに第1ステップはクリアしています。第2ステップ(単位を覚えてスムーズに単位変換ができる)は、早急に取り組む必要はないかもしれません。

先々の学習で影響が大きいもの優先して、繰返して学び理解を深めます。

中学受験の算数に関する質問

Q.大量の問題量をこなせません

受験算数の課題が多すぎて、寝る間もないくらい忙しい。子どもはますます算数が嫌いになっていきます。

優先順位が高いものを決める。身につける状態を探す。それを広げる。

まず受験算数は、やるべきことがとても多く、次から次へと理解していかねばなりません。それに追われると目的が曖昧になりますので、立ち止まって考えましょう。

まず確認したいのは「目的は、課題をこなすことではなく身につけること」です。どんなに多くの課題をこなしても、何も身につかなければ意味がありません。

ですから、まず身につける状態をつくる。それを広げていく。

このプロセスが大切です。
そのため優先順位の低い問題(難易度が高い・頻度が低い・認知特性と合わない)を決めます。

つぎに時間を決めて、優先順位の高いものからひとつひとつ取り組んでいきましょう。

その一連の流れのなかで、お子さんご自身で学習管理の癖をみにつけてもらう。最終的にはお子さんが自分の力で優先順位の判断ができるようになれば理想的です。

Q.特殊算が分かりません

受験準備が遅れたため、旅人算・相当算・つるかめ算といった特殊算が難しくてできません。どのようにすればいいのか。

受験で必要な特殊算だけを学びましょう。

達成したいレベルを決めて、お子さんの認知とあった解き方で学んでいきましょう。

準備時間が少ないのであれば、志望校の傾向から必要な特殊算とそのレベルをつかみましょう。そして以下の3つに気を付けてください。

  1. 先生に教えてもらったやり方
  2. 問題解説のやり方
  3. 本人の特性によるやり易いやり方 

どれがいいかを明らかにします。その中でやり易い方法を選ぶといいでしょう。