子育ての問題はいろんな場面で発生します。その問題解決は様々ですが、できるだけ無駄なく対処したいものです。ここで紹介する3つの解決の手だては、問題への有効な対処法をシンプルに示しています。そこには意外な考え方も…。
1)問題とみなさない
問題解決を考える前に「それは本当に問題なのか?」冷静に立ち止まって考えてみる。これがとても大切です。私たちが考える問題とは、他との小さな違いやタイミングのズレ。また、問題であっても自然に解決するものだったり、それが重大な問題や結末を引き起すものではないものもあります。問題にしなくてもいいことが、問題として捉えてしまうことはよくあります。
【例】こどばの発達が遅い気がする。
「誰と比べて遅いのか?」
「全く成長がみられないのか?」
【例】勉強をしなさい!というと親に口答えをする。
「自分の過去を振り返るとどうだろうか?」
「ごく一般的な家庭風景ではないだろうか?」
2)問題部分(問題のひき金)をとり除く
問題が起こるとそれを正しい形に戻そうとする心理が働きます。しかし修正しようとせず、問題部分を取り除いたり問題のひき金となる接点部分を取り除ければ、問題自体が発生しません。解決すべき問題がなくなります。
この“とり除く”という方法は、悩んでいる当事者は二の足をふむことがあります。そのような時は「とり除いたらどんな影響がおこるのか?」とその後を思いめぐらせたり、「一時だけ取り除いてみてはどうか?」とその状況を経験して判断してもいいと思います。
【例】子どもが酷いいじめにあっている。
「保健室登校は許されないだろうか」
「しばらく学校を休んでみてはどうだろうか」
3)問題が起こらない例外的な状況に倣ってみる
悩みである問題が発生しなかった例外的状況はなかったのか?探していきます。もし例外的状況を見つけたら、時間や状況、内容など記録して、そこに潜む特別な要因を探します。
もし特別な要因を発見したら、たとえ問題解決と全く関係なさそうなことでも、問題が起こりそうな場面でその要因を取り入れてみます。それで問題が発生しないのであれば、その要因を他の状況にドンドン取り入れて問題の発生を防ぎます。
3つの手法の共通する考え方
この3つの対処法を読んで、「なんて雑な解決方法だ」と思う方もいるかもしれません。問題への対処とは、問題の原因をよく探してそれを正しく変えていくこと、と思うからです。
確かにこれらは従来の方法は異なるかもしれません。
天井の雨漏れで床が濡れるを問題にするなら「床は濡れてもそうやすやすと腐らない」とか「床にバケツを置けばいい」とかになります。解決の落としどころが安易です。この問題は「屋根の補修をする」が正しい解決方法でしょう。
しかし子育ての中の問題状況とは、原因を探って発見しても、それは問題解決には役立たないことがとても多いものです。子どもの落ち着きがないということを問題として、それが“幼年時代の子育てが悪かった”と原因を探り当てたとします。
ただ幼年時代はずっと昔。幼年時代の子育ての悪さを知って納得しても、それは問題解決は役に立ちません。
子育ての状況はめまぐるしく過ぎて行きます。
問題は状況によって生まれたり消えたりします。それぞれの問題の原因の究明より、問題が発生しない状況を生み出すことの方が重要です。そんなことから、上記の3つの方法は決して侮れない対応法なのです。
字の勉強:息子が自主的に字の練習。「これはなに?」と息子。
「それは、みかん先生の“み!”」