反省させると成長しない-成果へ続くアプローチ

あのとき反省をしたはずなのに、何にも変わらないことってありませんか?かつて僕も教えてきた中でそんな事態が起こりました。反省させても成果に繋がらないと考えたのち、大きく変えたその促し方をご紹介します。

■反省した子の行動は改善したか?

「次、頑張ります」
失敗した子どもの試験結果のあと、多くの親たちが“子どもの反省の弁”を受ける体験はあるはずです。明らかに悪い試験結果の原因は学習量が問題であったなら、弁解の余地もありません。それは反省すべきことでしょう。
しかしです。
実際にそこで子どもの口から反省の弁を引き出して、それが次の結果へ結びついたでしょうか。

僕はことごとく失敗しました。成果が上がらなかった試験結果。

反省すべきところに注目させて、子どもたちの決意の言葉を引き出しても、それが次の成果に結びついたことは…ほとんどありませんでした。

かつて僕はそれを“子どもの心構えの問題”と捉えていたのです。でも2年程前から改めました。

『反省を強いること自体が、子どもたちの問題解決や意思決定を鈍らせている』

今はそう思っています。

■思考のフリーズ生む反省

これはコーチングを学んでいく中で痛感したことです。
何らかのまずい結果が発生して、それを他人によって問題の原因、行動を指摘されても、それが解決のカギ役立つことはほとんどないのです。
反省というのは“過ちを認める”それだけです。認めて改めるものであるはずですが、子供たちにとってそのようなものに過ぎません。
非は僕にある。僕が悪かった。僕は気をつける。これでこの話はおわり…となってしまう。これでは前進はありません。もし、本当に子どもを伸ばすことを目的にするならば、ここは悪かったで済ませてはいけません。

■「やった」から「実り」へ

反省させずに子どもをより良い方向へ促すために、僕は問題部分に目を向けずに「上手くいったところ」に目を向けるべきと考えています。これは以前、このブログで書いた記事[試験前の声かけ]とも似ています。

成果が出た部分、そこにまずは焦点を当てる。
試験結果が60点だったら、その60点の成果が出た部分について聞くのです。

「今回の成果に結びついた学習部分はどこですか?」

それまで勉強して実った部分はどれくらいあったのか。どんなところが出題の対象になったのか。当たった山はどこだったか。

できた部分へ注目して、やったことが実った事実をしっかり確認する。たとえそれが平均点にとどかなくても、粘り強く実った部分を引き出せるように最善を尽します。

それが次が変わるための最初のアプローチです。

■次へ生かすアイデアに込める

そして次なる第2段階、ここで実った事実を踏まえた上で次への改良点を本人に尋ねます。ここからのアプローチは少し難しいところでもあるのですが、この満たすべきアプローチの条件をあげるなら4つです。

  1. 具体的なアイデアを引き出すこと
  2. そのように改良しようと思った理由を引き出すこと
  3. アイデアに口を挟まないこと
  4. 言葉を肯定的に書き留めること

この4つの中で、特に3のアイデアに口を挟まないというのが、促す側として難しいところです。

「それだけで大丈夫か?」

「もっとやるべきだろう」

とどうしてもアイデアに口を挟みたくなるんです。

しかし、ここで口を挟むとコーチングは茶番です。子どもは「やっぱりそう言うんだ」と白けます。

そうならないためにも、上手く1,2を引き出すべきですし、もっと遡ると、成果に焦点を当てる部分で十分にそれまでの頑張りを認めることが重要になります。

このアプローチは長期的取り組みになりますが、子供たちのより良い変化を生み出しやすいものです。

もし機会があれば、子どもに反省部分ではなく、その中に潜む成果の部分を尋ねてみてください。子どもの心の中に小さな変化が表れるはずです。