「こんなことをする家庭教師はいないですよ…」
と言われます。ぼくがやっていること。それがどうも一般的な家庭教師のテリトリー外となっている。これは問題なのかもしれない。
「みかん先生って
先生って感じがしない」
教え子がニコニコ笑いながらいうんです。
「どうして?
どう見ても先生でしょ。
ほら!」
黒板を指差すマネをしてしまうとこれは大笑い。
たしかに家庭教師のイメージから、
年々遠くなっていっている気がします。
なんと説明すればいいのだろう。
それは難しい。
これずっと引っかかっていたことでした。
普通の家庭教師はしないようなことを、
まぁヌケヌケとするぼくがいる。
看板とは違う。
「算数数学の家庭教師」として
やるべきことって何か?
それは「算数または数学」を「教える」なんだけど、
でもね、実際はそうでもない。
ある男の子の算数の授業では、
ぼくがアレコレ教えるのではなく、
問題解決志向のコーチングをする。
「教える」が抜けてます。
不登校の子は会話が中心です。
算数の授業をするのですが、
ときに子どもの話に耳を傾け
問題解決の糸口を見つける。
算数や数学の目的から少しズレているし、
「教える」も少し抜けています。
別の子ではもっとスゴイです。
ベースは2時間の高校英語です。
(すでに数学じゃない…)
この子とは、
英語も勉強しますが、
学習の方向性を話し合ったり、
悩み相談、将来の夢を聞いています。
声に耳を傾けて、より深い言葉を引き出す手助け。
この授業にはもう
「数学」も「教える」もありません。
もちろん。
授業中に行なうこれらの行動は、
子どもや親御さんから喜ばれているから、
やっていることなんだけれど、
でもね、これでは
“算数数学の家庭教師のすること”とは、
ちょっと言い難いのです。
もちろん普通に家庭教師らしく、
算数や数学を教える子もいます。
ただそれは全体の35%程度ぐらい。
少ないのです。
親御さんたちもぼくの存在を
不思議な位置として見ているようですが…。
これって以前、書いた記事(関連記事:「手にしたいもの」と「手にしたもの」は違うようだ)の内容とも関連があるのかもしれないけれど。
とにかく
いつの間にか家庭教師という
ポジションにいない。
算数や数学でもない。
なんだか家庭教師というより…
なんだろう。
「親子お悩み回答者」
「セラピスト」
「カウンセラー」
「気のいい叔父さん」
「スタディコーチ」
中には非常に特殊な職業(気のいい叔父さん)もあります。
まぁそんなこともあり、
「うーん
それならちょっと変えてみようか?」
と思いました。
ぼくのやっている内容から、
仕事としての看板を考えると、
もっとも近いのは「スタディーコーチ」かなと。
肩書きから仕事内容を変えるより、
仕事内容から肩書きを変える方が、
ずっと楽ですし。
というわけで「スタディーコーチ」です。
一応、1年を区切りとして様子をみてみます。
しかしまぁ。
特別これまでの何かが
ガラリと変わるわけじゃありません。
授業内容はこれまで通りです。
やっぱり気のいい叔父さんががいい!
という声も聞こえそうですが。
それは将来の看板候補ということで。