勉強の目安は時間か?ノルマか?

計画表を立てることを目標にしない。
これは僕のもっとも大切にしている学習の信条です。そんな中、教え子の1人からこんな質問を受けました。
「勉強の目安は時間で考えた方がいいのですか?
 それとも量で考えた方がいいのですか?」
答えはシンプルです。自分の経験と照らし合わせて、そのときそのときで判断していく。これが子ども達にとってベストな答でしょう。
■それぞれのメリットを探る
だから僕の場合、近頃は特に「こうした方がいい!」と言わないようにしています。
「時間で目安を立てた時、どんないいことがあった?」
「量で目安を立てた時、どんないいことがあった?」
こういう中で、子どもたち自身でそのメリットをあげていく。また、デメリットもあげていいですね。その上で、今の状況と照らし合わせて自分で判断する。
目安を時間や量で縛る必要もないかもしれませんね。あまり悩まずに、気分で決めるという方法もあります。気分で決めるなんて随分と適当だなぁと思われてしまいますが、悩むよりはましです。
■ひとつの考え方-学習の時間と量
あくまで参考までに言えば、勉強の目安を時間にするか、それともノルマにするかって、その学習の種類によって大きく異なる気がします。
簡単に表現すれば未来の学習は「時間」、過去の学習は「量」。
僕自身はこれを原則に判断しています。
未来の学習=予習に関するものは、全く未知の世界なのでどれほど時間がかかるか分からない。だから時間を目安にして、その時間だけ必死に学ぶという考えです。
過去の学習=復習に関するものは、だいたい自分がどれができてできないか、は予想できます。ざっくりとした時間は見えるので、「ここまで勉強しよう!」という量で判断します。
■僕の答は子ども達の答ではない
これは何度も言いますが、これは僕自身の原則です。これでなければならない訳ではなく、実際、僕自身も常に流動的に判断するのです。
大切なのは「一方的に命令しない」ことかもしれません。
何が大切なのか?を常に意識して、そのメリットやデメリットをあげる機会を作る。これが実は一番子ども達のためになる学習だと思います。
子ども達は自分で解決できる力を持っているのです。

1℃でも暖かくなってほしい。

「三寒四温」をこんなに意識することがあっただろうか。
各地の天気予報で、東北の気候がとても気になる。
たくさんの服を着て、
身を寄せ合っている被災者の方々の場所が、
1℃でも暖かい場所になればと思う。

仕事に大きな支障が出ています…

正直、かなり頭を抱えています。
わが家の壁の一部です。




この写真で梁にヒビが入っていることが分かります。
じつはこれ以外にも大きな壁に雷のようなヒビがあり、
もう目を伏せたいです。
そして1つ問題が浮上。
それは「交通ダイヤの乱れ」です。
本日から停電が行われているために、
運休が発生しています。
分単位で移動する私にとって、
これは思わぬ事態…。
移動できなければ、
仕事ができないのです。

正直、あらゆる問題が転がり込んできて、
何をどうすればいいのか…悩んでいます。
せめてボイスチャット等をつかって、
子供たちに指示や知識の確認ぐらいはしておきたい、
と思っています。

被災者たちの力強さを知った。

「上手い美容師って
 東北出身者が多いんですよ。
 なぜだか、分かります?」
美容師の店長が私に言いました。
私はしばらく考えて、
美容師に必要な感性を東北出身者が持っているから!
と自信たっぷりに言いました。
すると店長は少し笑って
「東北出身者はみな“粘り”があるんです。」
美容師とは体力と経験がものをいう世界。
だから求められるのはセンス以上に
仕事に対してコツコツこなす粘りだというのです。
コツコツ粘り強く仕事を続ければ、
その後に上手い美容師になるということです。
店長は誇らしげに説明してくれました。
私はこの話にとても感心しました。
■地震被災者の粘り
私は被災の報道を新聞でよみながら、
この美容師の話を思い浮かべています。
その被災者たちの精神的強さ…
それはどんな困難にも負けない粘りなのでしょう。
もちろん深く傷ついているはずです。
心はズタズタなはずです。
しかし不満や不安を外に発散するのではなく、
薄い毛布に包まってじっと耐えている。
私はこの地域が育んだ粘り強さをみると、
この人たちと同じ国民であることに
大きな誇りを感じています。
■万人単位の被害…
目を伏せたくなる数字が飛び込んできます。
まだ安否不明の人はいますが、
きっと生きている人はたくさんいると思います。
粘りある精神性を持ち合わせているのですから。
一人でも多くの命が
救われることを願います。

マンションが危険…地震が残した爪あと

自然の恐ろしさは十分にわかっている。
そんなこれまでの「分かっている」を
東日本大震災は想像を絶する地球のパワーで
「分かっているつもりだった」に変換しています。
マグニチュード9.0
今、この小数以上に恐怖を与える数が存在するでしょうか。
9.0はあの大きな揺れになり、
そしてすべてを飲み込んだ津波になる。
私たちはこの数の意味を、
これから二度と忘れることができないでしょう。
■壁や梁にヒビが
そして震源から遠く離れた我が家にも、
この地震は大きな爪あとを残しました。
我が家は今回の地震で
壁と子梁にヒビがはいりました。
全部で12箇所。
もし今、関東直撃の地震がくれば、
もたないんじゃないかと思いました。
■夜、家に妊婦と幼児を残す
授業で家を留守にするのがとても怖いです。
家内はお腹の大きな妊婦で、
息子はまだ言葉が通じない2才。
悩みに悩んだ挙句とりあえず、
家内と息子を九州の実家に帰しました。
ただこれは根本的な問題解決ではなくて。
でも引越しとなると一大事。
私が物件を決めて、
私が引越しを手配して、
そして家族を迎える。
これも難しい。
余震があるたびに、
余震以上にブルブル震えています。
東北の被災地の方々は、
もっと恐ろしい日々を過ごしているのでしょう。
一刻も早くいつもの生活に戻れることを願います。

地震の為に徒歩で帰宅しました。

お昼過ぎの授業を終えて、
教室に向かうために表参道の地下鉄の駅にいました。
そのとき、地震が発生。
構内は騒然。
一部パニックになりみんなが外へ走り出していきました。
その流れに私は押し流されまいました。
<地震の際は外にいるよりも地下の方が安全>
ふとそんなことを思い出し、
地下にとどまることにしました。
(東京ではガラス張りの建物が多く地震で割れて落ちる方が危険だから)
しかし携帯の電源も切れて、
地下鉄の復旧も見通しがたたない。
家族みんなでまとまっていたいため、
自宅までちょっと遠かったのですが歩いて帰ることに決定。
夕方18時過ぎです。

大きな地図で見る
分かりやすい通りを歩いたために、
時間は3時間半ほどかかりました。
被害状況を知ったのは自宅に帰ってからです。
地震、そして大きな津波。
大変なことになっている・・・・・・。
JRもまだ完全復旧には至っていないらしく、
どうしても家族が気になるので、
土曜日の授業は全休にさせて頂きました。
ご迷惑おかけします。

子供の問題を「変化のきっかけ」にする。

「えぇそうなの!!」と私。
「先生、ひどいでしょ。」
「そのショックは分かるよ。」
今回成績が落ちてしまい
親からゲームを取り上げられた
と子供が言いました。
「先生もそういうことあったの?」
私は暗い表情で言いました。
試験の点数が悪くて、
1ヶ月ゲーム禁止になったこと。
あれは酷かった…と肩を落しながら。
すると子供はいいました。
「親の立場で取り上げるのってオカシイですよね。」
むむ…。
少し私は考えました。
「いや、おかしくはない。
 これはごく普通のことだよ。」
■親の強制力
子供からすれば
試験結果で関係のないゲームに響くことが
どうも納得がいかないということでしょう。
気持ちは分かります。
でも親の強制力ってあるんです。
これはアレコレ言っても仕方ない。
それにすこし探ってみると
これは強制力の問題ではなかったりします。
「お母さんは試験の結果次第で
 ゲームを取り上げるといったの?」
「そう。」
「なるほど。
 で、それに君は同意したのかな?」
「はい…」
「じゃ約束だったのだから仕方ない。」
残念なのですが、約束は約束です。
私にはどうしようもありません。
ただ彼はどうもゲームが取り上げられたことが
ショックのようでした。
■ではどうする?
そこで私はこれはいい学習の機会だと思い
この子に提案をしてみました。
「じゃあさ。
 ゲームを取り戻すにはどうすればいいか、
 ちょっと考えてみてはどうだろう?」
私はこんなことを言いました。
約束の内容はどうあれ
約束してしまったことについて、
それをどうこうはいえない。
だったら考えを変える。
それをできるだけ早く返してもらう方法を
今、考えてみればいい。
「頼み込むとかですか?」
私は首を横に振り
イソップ物語の北風と太陽の話をしました。
■太陽になる。

人間のコートをとるために
北風は風をビュービューと吹いた。
人間のコートはとれない。
太陽はポカポカと日光を人間にとどけた。
人間は体が温まり自らコートをとった。

その中に解決のヒントがあると言いました。
「太陽になるんですね。」
私はにっこり笑いました。
「お母さんがゲームを返したくなる状況を
 これから君が作ればいいんだよ。」
彼は何かを感じ取ってくれたようです。
■変化のきっかけ
このあと彼がどのような計画で
ゲームを取り戻すのか?私はとても楽しみです。
彼の中にあった強制力という問題。
これに拘っても変化は起こりません。
問題は強制力が発生した原因にあるのです。
なぜこのような状況になったのか?
ということでしょう。
親の立場になって考えれば、
ゲームを取り戻すことなんて
そう難しいことではないのかもしれません。
解決手段は結構単純です。
<変化のきっかけを与える。>
私は子供とのやり取りの中で、
とても大切なことと思っています。