【朝日新聞・10年07月20日】
生徒のため、学校の為に生きてきた先生が倒れて亡くなりました。
教育現場の問題は「激務」ですが、その問題の起源は別だと考えます。
【朝日新聞・10年07月20日】
■58%回答-教員「心に不安を感じる」
朝日新聞の特集記事を抜粋します。
教師の「働きすぎ」に歯止めがかからない。大阪府教委が昨年11月に府内の公立学校の教員3千人に実施したアンケートでは、Kじゃい当社の58%が「こころの健康に不安を感じる」と回答。その原因は「勤務時間が長い、仕事量が多い」が最多で36%に上がった。
《記事より抜粋》
仕事量はその地域差もあるそうです。ただ、58%の教員がこころの健康に不安を感じると回答には驚きました。教師という特殊な仕事は心理的なストレスはもちろんあると思います。
無意識に心をコントロールしているのではないでしょうか。
そして49歳の吹奏楽の教師が過労で亡くなったことも大変悲しいことです。
■指揮棒を振ったが・・・
大阪府マーチングコンテストに顧問として出場した教師今中さん(当時49)。
コンテスト当日。今中さんはいつもと同じようにリズムに合わせて体を揺らし、指揮棒を振った。結果は金賞。関西大会出場が決まった。でも、演奏後の記念撮影に、今中さんの姿はなかった。
39度2分の高熱と激しい頭痛に襲われ、保護者が運転する車で会場を後にした。検査の結果は「急性骨髄性白血病」。午後10時に脳内出血で意識を失い、3日後の16日午後に亡くなった。
本当に悲しいことです。
生徒を想う気持ちは人一倍だったことは、他の記事の中でも記されていました。
学年主任という役職、普段の授業準備、そして部活動。
この3つが重なり合って、体の異変に気づきながらも休めなかったのではないでしょうか。
■生徒たちも被害者
私はこの事件において、生徒たちも可哀相でなりません。
先生が想う生徒への気持ち、真面目でしっかりとやる気持ちが、
このような結果を引き起こしてしまった。
自分たちのせいで・・・なんて思い悩んだ生徒もいるのでは?
と心配でなりません。
もちろんこの事件の原因は生徒にありません。
もっと別なところにあると思います。
■教育者は奉仕者か?
学校の先生が働きすぎ。
これはもう言うまでもありません。
問題は、お役所で残業代が出ないのは問題化され制度化されているのに、
教育現場の世界ではそれが制度化されない。
そこには「教育者は奉仕者」という美意識があるからだと思います。
日本の教育の問題本質はここだと思います。
奉仕者とは勝手に作り上げた表層です。
教育者はまず「人間」。
休むことの制度化実現をいち早く望みます。
その実現までは、働きすぎの教師には周りがストップをかける。
また、先生の業務偏りも数値化も大切だと思います。
■休息あっての努力
日々の努力は大事です。
しかし日々の休息はもっと大事。
忙しくなると手を休めることが怖くなり、
ストップはかからないからです。
「アクセルを緩める。」
これが教育の新しい課題なのかもしれません。