高校教諭の論文「右脳数学・直感数学」の紹介

右脳で考える、直感で分かる数学を体現されている現役高校数学教師の論文を拝見しました。ノーベル賞を量産も夢ではない、ぼくもそう思います。

ぼくの考えは新しくない
すごい発見をした!と思っても、すでに世に出ていることって多いものです。
ぼくも若かりし頃、すごい発見をしたつもりでも、その発見がすでにある…と分かった時点で、ふて腐れて嫌になっていました。でも近ごろは、おなじ考えだとうれしいですね。

ネットで右脳数学と検索したら、ある論文に引っかかりました。
普段はあまり長い文章は読まないのですが、そのとき「これは読みなさい…」と神のお告げをうけたのか、私は無意識にその論文の文字を目で追っていました。

読んで何行目かで分かりました。
そこには普段、私が考えていることを、より深く、より確かに、より熱く、実践記録とともに理論を体現されていました。
それを読んだぼくは・・・
「わっぜ、すごか…  (思わず鹿児島弁)」
震えが止まりませんでした。

その論文は「右脳数学・直感数学」。著者は、現役の高校教師、佐藤先生。論文はこちらにあります。

佐藤先生のHP
右脳数学・直感数学
(右脳数学というリンクをおしてください。)

この先生の凄さは素人目では少し分かりにくいです。数学をやっている先生方だったら、間違いなく度肝を抜かれるでしょう。恐れながら私が感じた凄さを(本当は沢山ありすぎるぐらいなのですが、)3点ほどを書きたいと思います。

直感でわかる数学を高校で体現している

まず、間違いなくこれでしょうね。算数は具体性の学問なので、直感で分かるんです。しかし抽象性が高い指数関数を、直感で教えるというのは…これは難しいです。ぼくも高校生に数学を教えています。
(指導経験が少ないので大っぴらには書いてません)確かに直感で教えられます。

数列、因数分解などは私も図を用いて教えること出来ます。
ただ、指数関数は…無理!!これを読んだとき、目から鱗でした。
また、算数に関する割合や速さについての論文(第三章)も極めて素晴らしいです。市販本されている算数の教え方より、ずっとこの3章はいいですね。

教具を使っている

さらに先生は指数関数を教えるにあたって教具を用いています。
(教具とは算数セットとかが代表的ですね)
高校生に教具を作らせて、それで授業を展開し、さらに驚きと感動を与えている。

これは凄い…教具を使って数学Ⅱを教えている先生は、佐藤先生以外に日本にいないでしょう。これは教具を使えばいいとかそういうものではありません。
教具を使って教えるというのは、レベルの高いことなのです。それを高校数学、しかも指数関数でやっているのは大変なことです。

通分もままならない高校生に高等数学を教えていた

最後はこれでしょう。これは私も勇気ずけられましたね。
普段、感じていたものの私のような小心ものには言えないこと。それをずばり書かれていて、背中を押された感じです。
「算数が出来ないと、数学は出来ないか?」
という問いに

「算数の基礎がなくても、高等数学は理解できる。」

と佐藤先生は真っ向から反論しています。
これを見た人たちは「まさか?」と思うはずです。
確かに算数の知識(前提となる数学の知識)があるとないとでは、理解のスピードとか、問題の解くスピードという点では、大ききなさになることは否めません。

しかし大筋を理解するという意味において、これはおそらく影響はないと思います。私は高校数学を専門としていないので、はっきりとしたことは言えません。
ただ高校数学においても、最低限の部分だけを押さえさえすれば、スムーズに理解を進めることは可能ですね。

高校の数学ABは、集合や確立、数列といったものがあります。これらは真面目に勉強してきた高校生にとって、とっつきにくい領域です。

しかし全く何も知らない高校生に対しても教え方をうまく変えれば
「ほぉ~数学って面白い!」
と感動を与えることは十分可能だと思いました。

■ノーベル賞を量産する右脳算数

素晴らしい物理学者や数学者は、右脳で考えている時間の方が多いといいます。
右脳は直感を引き起こす発明箇所。

佐藤先生の論文を見て
「直感(イメージ)できる算数数学は重要だ!」
と改めて思いましたね。
その子供たちに私達ができることは、素晴らしい智の世界をそっとのぞき込ませて、そこにある小さな発見の機会をつくることと思いました。