たし算には「合わせるパターン」と「ふえるパターン」の2つあります。これらは曖昧なイメージのまま扱われがちです。この記事では「合わせる・ふえる」の違いと学ぶ順序について説明します。
たし算の基本は2種類
なに気なくつかっているたし算。そんなたし算にも種類が大きく2つほどあります。それは“合わせる”と“ふえる”です。
どちらも似た感じですが2つはイメージが異なります。まず、例題で紹介します。
【問題】こうえんに子どもがいます。男の子は4人、女の子は3人です。子どもはぜんぶでなん人いますか。
男の子・女の子の2種類がいる状況があり、その上で「子ども」の数を尋ねています。これが「合わせるたし算」です。
【問題】こうえんで子どもが4人あそんでいます。そこに子どもが3人やってきました。こうえんにいる子どもの数はぜんぶでなん人ですか。
ある状況に、子どもが入ってきて状況が変わります。これが「ふえるたし算」です。
たし算という言葉の響きから、こちらの方がしっくりくる方も多いでしょう。
これらのたし算のイメージの違いは、学校でもあまり深く扱われません。
しかし概念形成や式の理解に影響を及ぼすので、正しい順序で学んで欲しいところです。
「合わせる→ふえる」の学習順で
たし算を学ぶとき「ふえる」方が分かりやすいと思われがちですが、実はこちらの方が難しいです。
3年生ぐらいまでは過去や現在など時間軸で捉えることが難しいお子さんもいます。
まずは、2つの数がそろっている“合わせる”を先に学習した方が無理もありません。また、たし算の式の構造からみても、
4+3
と2つの数が横にあるためイメージが直結しやすいです。
最後にもうひとつ。たし算の演算で大切なことがあります。
筆算のくせをつける
小学3年生までのたし算であれば、筆算を使わずに暗算でやりがちです。
しかし算数が苦手なお子さんは、できるだけ早い段階で筆算を使うことを心がけたいものです。
位を意識して足すことで、先々の学習で余計な躓きを避けることができます。
小学校4年では、小数のたし算を学びます。このときに位を意識せず計算をやってきた子は、間違いなく
1.25+2.8
という計算で躓きます。5と8を上下にそろえて足してしまうのです。
数の大きさを意識を身につけるために、できるだけ筆算を習慣づけてほしいです。
たし算のまとめ
今回は説明部分が多かったので、たし算の学習のポイントをまとめてみました。
- たし算の前に数の概念を身につける。
- 式は種類が同じものでたてる(原則1)
- 計算は単位が同じもので行う(原則2)
- “合わせる”→“ふえる”の順で学ぶ
- できるだけ筆算をつかう
お子さんの算数学習の参考にしてみてください。