やってみることが子どもの知識財産になっていく。

授業をとおして、なにを身につけられたか?
“手にしたいもの”と“手にしたもの”は、やっぱり違うんだな。どっちが大切かって?そりゃ手にしたものに決まっている。だからね、とっても気を配るのです。手にしたものが、何だったらいいかな、って。


やってみることが
子どもの知識財産になっていく。


10日ほど前に書いた記事(「手にしたいもの」と「手にしたもの」それはちがうようだ。)から少し踏み込んだ話になる気がします。
手にしたものが何なのか。それは人それぞれ。
でも確かに子どもたちは、何かを手に入れていきます。
それについて昔は
「おまけみたいなものだ」
って思っていました。
でもこの2年ぐらい前から
「表の成果ばかりに目を奪われると、
 こりゃ、最終的に子どもが大損をするぞ…」
って思い始めたんですよね。
それで手にしたいものとはべつに、
手にしてくものにも注目しだしたわけです。
もちろん、子どもたちが何を手にするかは分からない。
でもね、すこしかんがえを巡らせてみたら、
ひとつ気づいちゃいました。
そこにないものは手にできない。
そうだ!これだ!
とれるかどうかはわからなくても、
とりあえず置いておけばいいぜ。
お品書きとして目的化せずとも、
「あぁこういうことか!
 ラッキー!いいこと知っちゃった!」
となってくれればいい。
それから、ぼくの授業の内容を
ちょっとずつ変えていますよ。
ものの見方というか、学習への取り組み方。
そこのあたりを改善に移す働きかけを注入。
要は自分の学習管理というライフマネジメント。
もちろん言葉で説明をうけて、すぐに身につくものじゃない。
こう言ったものは徐々に習慣化されるものだし。
だけど手にしてほしいのはこれなんだよね。
だからとりあえず。
できないことを前提として
「じゃ、まず”できる改善”からやってみようや」
とぐーんとハードルを下げて実施しています。
やっていることは、こんな感じ。
宿題箇所に付箋を貼る
(ステージ★☆☆☆)
ノートに線をひく
(ステージ★☆☆☆)
プリントにオレンジペンで解答をかく
(ステージ★☆☆☆)
やった問題は、問題番号の前に日付を記入する。
(ステージ★★☆☆)
解説したルーズリーフの板書を見出しをみて整理する。
(ステージ★★☆☆)
やった問題をワーク把握シートやワーク達成グラフに記入する。
(ステージ★★☆☆)
やるリストを自分でたてて、実際に記入してみる。
(ステージ★★★☆)
2週間分のやる&タイムシートで、プランを立てて実行する。
(ステージ★★★★)
などなど。
まずは一緒にやってみる。身についてきたところで、手を放してあげる。自然にできるようなったら、そっとしておく。子どもが無理なくできる範囲でね。
魚は与えず、釣り方を教えよ
ってロシアのことわざは“教育的な理想”とも言われています。
ただその方法を学ぶには、それなりに時間はかかる。子どもは魚を欲するし、こっちも魚を与えた方が楽ですよ。
でもね、ぼくは子どもたちに「手にしたもの」として「自分の学習管理=セルフマネジメント」を持って暖簾を潜って出て行ってほしいんです。
これから産業社会で生きる彼らに、きっと重要視されることと思うから。
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