どうして算数数学が苦手になるのか、その要因は大きく5つあります。これらの要因が重なりあうと苦手のぐあいはますます大きくなります。
要因1 学び方が合っていない
子どもたちはみな学習特性をもち、その特性に合わせて学習を行うことが正しい学び方です。しかし苦手な子は、自分の特性とは違うやり方で学んでいるため、苦手になっているケースがあります。
◯この要因への対応のしかた
1.子どもの優先知覚にあう学び方を行う
( 視覚・聴覚・体験・記述・読解 )
2.子どもの納得知覚にあう学び方を行う
( 多例・論理・体験・権威・必要)
3.子どもの学びの遂行方法を合わせる
( 自己型・手順型・模索型 )
要因2 学ぶ内容が難しい
授業の内容、使っている教材などが、今の学習状況に対して難しいケースです。適切な内容の授業教材を使わなければ、得られる学習成果は0に近いものになります。できるだけ早く対応すべきことです。
◯この要因への対応のしかた
1.子どもが無理なく分かる(=できる)内容に変更する
2.子どもが無理なく続けられる教材に変える
3.教材の中で取り組むべき問題や項目を絞り込む
要因3 基本があやふや
学習する前の部分(=前提となる部分)がしっかり身についていないため、それをふまえた内容が理解できないケースです。
◯この要因への対応のしかた
1.基本的な用語の意味をたしかめる
2.基本内容を復習する
2.基本部分と進展部分の関係を伝える
要因4 発達が追いついてない
子どもの能力の特性が学習内容に及んでいないケースです。学習内容に発達段階が到達していないケースと、学習障害や能力が低いケースなどがあります。まわりの理解と賢明な判断が必要です。
◯この要因への対応のしかた
1.説明にピンと来ないなら学習時期を延ばす
2.学習項目を回避する
要因5 学習の意欲がない
学習に対する意欲(意思)が弱いのが原因です。その日の健康や、気分、また興味関心などその要因は様々です。心の問題なので対応が難しい所です。
◯この要因への対応のしかた
1.短い時間に区切って学習する
2.学習の量や成果ラインを明確に提示する
3.成功体験を細かく積む
4.学習を止めて、別なことをする
これらすべての要因を消し去って苦手をなくすことは難しいです。しかし対応策によって要因を小さくし、苦手意識を軽減することは可能です。