たし算を学ぶ前に、学習の受け皿ともいえる「数の概念」をチェックしましょう。この記事では、数的意味・種類別の認識といった数の概念があるか簡単な確認方法をご紹介します。
早期教育でたし算を学ぶ事について
近ごろの子は、みんな「たし算」ができます。親御さんたち教育意識の高さ、幼児早期教育の影響かもしれません。
幼稚園で、幼児教育塾で、また親御さんが教えているからです。
ただ私は、ちょっと不安に思っています。まだお子さんの数の概念形成が不十分なまま、たし算に踏み込むケースが多いからです。それは幼児教育塾でも同じです。
たし算の前にじっくりと取組む3点
今回はたし算の導入の前のポイントの書きます。これは学習塾の先生・小学校の先生でも、知っている方が少ないかもしれません。
たし算の前に取組むべきことを2点ほど書きます。
1点目:数的意味、大小の理解を確認します
小学1年生で数の理解が不十分な子は一定の割合でいます。その概念が形成されているか発見する方法をご紹介します。
【数の数的意味・大小の理解を調べるテスト】
①7個と8個のおはじきを2組用意します。
②それぞれテーブルに以下のように並べます。7個のおはじきは間隔をあけて並べる。8個はおはじきは間隔をつめて、列が7個より小さくなるように並べます。
③この2組のおはじきの列を子どもにみせて「どっちのおはじきが多いかな?」と尋ねます。
④子どもがちゃんと指で数えて、8個の方が多いと答えた時のみ数的意味・大小が理解できています。
これができなくてもご安心ください。子どもの発達段階のタイミングの問題です。
いずれこれらはできるようになります。大切なのはここで焦らずにじっくり時期を待つことです。
2点目:種類別の数を認識できているか?
子どもには「男の子」と「女の子」がいます。これは男と女を分けるくくりです。
しかし、男の子と女の子は「子ども」という領域では同じです。この種類の関係を身につけることが、たし算の大前提です。
文章の問題になると数だけを追ってしまうことになります。
【種類を認識するトレーニング】
子どもがいる公園の砂場を眺めて、親子で数えてみるなど日常的な体験がいいと思います。
男の子は何人?
女の子は何人?
子どもは何人?
大人は何人?などなど。
これは車という領域でトラックや自動車などでもかまいません。ただ種類がはっきりしないものは、避けてください。(ペンギン・すずめ・魚を見せて、鳥は何羽?とか。)
この時期の子はできるかぎり日常生活体験のなかで数の認識を体験させること大切です。
それが、算数の基礎力を高めるもっとも効果的な方法です。
まとめ
たし算の導入前のポイントで、記事が長くなりました。
たし算やひき算という演算は、数というものの認識がある前提で行なわれます。
このあたりがスムーズに答えられるようになって進めてほしいです。