優れた数のセンスをもつ子は、何がちがうのだろう?

僕はこれまでみてきた「算数・数学のセンスが抜群の子」に1つ共通していることがあります。それは彼らが目の前の問題を圧倒的なスピードで解くのではないということ。

たとえば必死に努力している子とか、計算が誰よりも正確な子だとか、そういった範疇に彼らは見事に当てはまらないのです。

むしろ彼らはゆったりしすぎている。問題を見て、自由に遊んでいるように見える。それは私たちが常識的に考えていた「素晴らしく算数が得意な子像」とは異なります。

ドンドン先へ先導する。

その昔、算数数学を質と量でこなせれば誰でも出来る!という神話を信じていた僕にとって、とてもショッキングなことでした。

だってまだ何も教えていないのに1を聞いたら10を答えてしまう。10を聞いたらひとりでに100へ行ってしまう。

これはパックツアーにつれて来た先導者の僕が、ツアー客に牽引されるような気分。そういった子について多くの先生たちは嫌がるものだけれど、僕はむしろ彼らに大変興味を持ちました。

なぜ、彼らはできてしまうの?

これは単純に頭がいいと片付けられる話ではなさそう。そこには何らかの共通のカラクリがあるはずだ。僕はそう思ったのです。その中で見えてきたことは実にシンプルなことでした。

素直な目で見る。
意味を大事にする。
全体的な視点で把握する。

数へのセンスが抜群の子は共通して、数の意味を大事にしているのです。

ごく当然ともいえる基本的なことを彼らは物事を考える出発点としている。大前提から考える癖がいつの間にか構築されているのです。

センスと成績は比例しない。

ただし、これは面白いことでたとえセンスが優れていても算数数学の試験の成績が良いとは限りません。むしろ、センスがあるからこそ、突き詰めない子もいます。

ただ僕はそれはそれでいいと思うのです。センスがある子は教え概があるのは事実だけれど、だからといって数学をもっと勉強すれば!とか、君は才能がある!とかいいたくないです。

大概、そういったセンスのある子というのは、そういうのを煙たがるものです。そっとしておいてあげることが、彼らの芽を潰さない最良の方法だと思っています。