このページでは、みかん先生による「数学が苦手な中学3年生への教え方」をQ&Aで解説しています。
1.多項式
Q.乗法公式4つが覚えられません
基本は1つ!そこから広げよう
教科書に掲載されている乗法公式は4種類あります。
- (x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab
- (x+a)2=x2+2ax+a2
- (x−a)2=x2-2ax+a2
- (x+a)(x−a)=x2−a2
とても似ていて覚えにくいです。でもこれらをすべて丸暗記する必要はありません。
まず基本パターン「(x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab」を覚えましょう。そしてそれを使いまわすのです。
例えば、(x+a)2は「(x+a)(x+a)」と基本パターンに変形できます。そうすればx2+(a+a)x+a2として解けます。公式は徐々に覚えていけばいいです。
因数分解がうまくできません
苦手な子は手順化しましょう
因数分解は大きく共通因数パターン(単項式・多項式)と2カッコパターン(多項式・多項式
2.平方根
Q.平方根がよくわかりません
2乗の元の数です
「9の平方根は?」をほん訳すると「9は何を2乗した数か?」となります。つまりx2=9です。
これがピンと来ない時は◯×◯=9と書いて「同じ数をかけて9になるとき、◯はなんだ?」と考えます。
すると3×3と−3×−3があげられます。この3と−3が9の平方根となります。
3.二次方程式
Q.二次方程式の解き方がいろいろあって混乱します
まず手順を覚えましょう
二次方程式は以下の手順で進めます。「いいえ」だったら次へ進みます。
- 共通因数はあるかな?
- ◯2パターンかな?
- 因数分解(乗法公式)パターンかな?
- 解の公式をつかおう!
このメモを手元に置いて取り組みましょう。
4.関数 y=ax2
Q.二次関数はなぜ放物線になるのか意味がわかりません
xの値を2乗してるからです!実験してみて!
U字型の放物線になる理由がピンと来ないお子さんは結構います。
「y=0.5x」と「y=0.5x2」をグラフで見比べてほしいです。xを2回かけてから0.5をかけているので、yの値が大きくなるのが実感できるでしょう。
5.相似な図形
Q.相似条件が暗記できません
図を見て自分で条件文を作ってみよう
相似条件は暗記から入ってはいけません。相似な図を見て、その条件を表す練習が大事です。
その練習を経て、たとえば「2組の辺の比」が何を表現しているのか腑に落ちます。すると相似条件が自然と身に付きます。
6.円
Q.円周角を求める問題がいつも解けません
条件をしっかり書き込みましょう
円周角の問題は、まず「円周角・中心角」の関係を図中に書き込むことが大切です。
その上で半径の間にできる「二等辺三角形」にも目を向けます。
7.三平方の定理
Q.三平方の定理の1:2:√3の位置関係がわかりません
最も長い辺は2。これを覚えましょう
30°・60°・90°の直角三角形を見れば、最も長い辺が「斜辺」だとわかります。それならば1:2:√3のうち最も長い「2」が斜辺だとわかります。
※「√3の方が2より大きい」という誤解がよくあります。
8.標本調査
Q.標本調査をする目的がわかりません
集団の傾向をつかむことが目的です
「小学生10人中で1人が虫歯」など傾向を知るためなら、一部の集団を調べればことができます。そのために行われるのが標本調査です。
標本調査は、正確な「数量の調査」ではなく「傾向の調査」です。