「小学4年生の算数」の教え方の例

分度器が使えない…ひし形と平行四辺形の区別がつかない…といった小学4年生でみられる子どもの意外なつまずきへの教え方をまとめています。

このページの目次

「兆億万などの大きな数を読めない。」

漢数字の表現は数字の正しい読みそのものです。しっかり丁寧に扱うことが大切です。万進法の数の読み上げの手順は以下のとおりです。

  1. 一の位から4桁ごとに区切りを入れる。
    3210101202517
  2. 左側の4けたの下に “兆” “億” “万” を記入。
    3/2101/0120/2517
    兆   億  万
  3. 数の左から4けたごとに読み、仕切りが来たら「兆」「億」「万」をよみ、続けて右の4けたを読む。「3兆2101億120万2517」

指でなぞりながら読み上げるといいでしょう。

「漢数字の表記を数字表記にかえることができない。」

まず数の整理が必要です。 以下の手順で教えるといいでしょう。

  1. 万・億・兆の右側に区切りを入れる。
    三兆二千百一億/百二十万二千五百十七
  2. 区切りごとに千位までの数を表現する。このとき空位があれば0を入れる。
    3210101202517
  3. うすく引いた線(/)を消す。
    3 2101 0120 2517

数を読み上げて漢数字のとおりかチェックします。

「240000000は1000万をいくつ集めた数か分からない。」

数比べの基本は以下のとおりです。

  1. 上下に揃える。
    240000000
    010000000
  2. 異なる部分を着色する。
    240000000
    010000000
  3. 「1000万の位が1だね」「上の2億4千万は24となっているね」と確認した上で、着色部分を指さしながら「2億4千万は、1千万24をいくつ集めたかずかな?」とゆっくり尋ねます。倍感覚として24と分かるでしょう。

「角を作る線を長くすると角度は大きくなると思っている。」

image_4_041.jpg

実際にどうなるか確かめてみればいいでしょう。

短い直線で作られた角の角度を計ります。

短い直線を長く伸ばします。

長くなった直線の角を計ります。

等しいことが不思議に感じると思います。続けて直線を短くして計ってみると、自然に「角の大きさは直線の長さに影響されない」ことが実感できるはずです。

「分度器をつかって角度が測れない。」

子どもによって分度器は扱いにくい計器です。2017年6月時点では「クツワ STAD 算数分度器 HP09A」がオススメです。

【分度器の使い方】

  1. 測りたい角を手前にして「左の直線」に分度器の中心から0°の線(青線)を重ねます。
  2. 青線をスライドさせて測りたい角に中心を重ねます。
  3. 分度器の青印の目盛を読みます。

例外的に右の直線に分度器の0°の線(黄線)角度を計る

「72÷3の筆算で割られる数の部分に3を書いてしまう。」

わり算の式ではわる数が右側にありますが、筆算ではわる数が左側にあるため、この間違いが起こります。

算数4_01.jpg
以下の手順でわり算の書き方を教えるといいでしょう。
  1. 「72」と唱えながら、わられる数をかきます。image_04_061.jpg
  2. 筆算の線を「わ!」「る!」と動作と同時にかきますimage_04_062.jpg
  3. 「3」と唱えながら、わる数をかきます。image_04_063.jpg
    実際に書くだけでなく空書(空中で動作をすること)をするといいです。


「72÷3の筆算で、10の位の数は割れるのにそれに気づかない。」

筆算の数が示す量の束をイメージしないまま、手続きをやっているかもしれません。算数4_02.jpg

割られる数を指で隠し、指を右に動かしながら上の桁から「割られるかどうか?」をしっかり確かめる習慣を付けるといいでしょう。3桁のわり算(639÷3)での躓きも同じこの方法で回避できます。

このわり算筆算について、記事(計算が不得意な子は「わり算筆算の商たて位置を決める動作」を身につけよう)で詳しく解説しています。


「625÷3」の筆算で十の位の答0を飛ばしてしまう

最初の商たての癖がこの躓きを引き起します。十の位のわり算で2÷3はできないと感じて、手続きを飛ばしてしまうために起こります。

  1. 計算のゴール(最後に答がたつ位)を確認します。割進みをしてしまう子は、それを防ぐために壁を作るか次の位を×にすると効果的です。
  2. 最初の答がたつスタートを考えます。
  3. スタートとゴールが分かったら、その間の位は全て数字が入ることを確認します。算数4_03.jpg

2÷3はできないのではなく0あまり2。商には0がたちます。でもひき算は0でひくのだから、答はひく前と同じ2となります。

15mは3mの何倍になるか?の問題を線分図で考えると4倍と答えてしまう。

線分図上では15mと3mの差に意識がいってしまい、その差12mが3mの何倍になるか応えてしまっているようです。3mの何倍が15mになるのか?と話して、3m×( )=15mと式で考えてみると分かると思います。その上で、15÷3でカッコの倍の数が分かることを確認すればいいと思います。

暗算ができない。

教科書では扱っていますが、無理に強いる必要はありません。できなければいつも通りに計算するようにさせます。

垂直と直角の違いが分からない。

垂直とは、2つの直線が直角に交わる線のようす。
直角とは、90°である角。

垂直は「線の関係」であり、直角は「角の名前」です。

三角定規2本で平行線を上手に書けない。

「固定する定規」と「移動して線を引く定規」の二本がありますが、この両方を同時に押さえて線を引くのはなかなか難しいです。この対処法は2つあります。

  1. 固定する定規がズレたときのために、予め固定位置を示す線を引いておく。
  2. 固定する定規がズレないように辞書などの重しをのせる。

現実的には1.のほうがいいと思います。

「台形や平行四辺形などの区別がつかない。」

向かい合っている辺どうしが、平行であれば色えんぴつ等で辺をつなぎます。平行な辺の1組あれば台形。2組あれば平行四辺形。

算数4-5.jpeg

判断手続きを入れるといいでしょう。

「ひし形と平行四辺形の区別がつかない。」

どちらも平行四辺形であることは紛れもないのですが。違いが分かりずらいのではないかと思われます。平行四辺形の中でも全部の辺が同じ長さのものがひし形です。

算数4-6.jpg

平行四辺形とひし形の違いを色で分けるといいでしょう。

「そろばんが上手く扱えない。」

なかなか扱うのは難しいと思います。かつてそのような道具を使って計算をしていたことが知ってもらえればいいと思います。

「1kg325gを小数を使ってkgで表すことができない。」

2つの単位で表されたものを1つの単位表現に戸惑う子は結構います。変えるべき単位に注目させるといいでしょう。

  1. 「1kg325g」を「1kg」と「325g」にわける。
  2. 325gはkgの単位ではないので、この単位を換える。
  3. 325gは0.325g
  4. 1kg+0.325kg=1.325kg

複雑な様子を単純に変えることで、すっきりと分かると思います。

「2.45は0.01を何こ集めた数かピンとこない。」

数の大小の比べ方を用いればわかります。 手順を説明します。

  1. 位を上下に揃える。
    2.45
    0.01
  2. 改めて0.01を何個集めたら、2.45になるか考える。

分かりにくい場合は整数の話(245と1)で考えればいいと思います。

「小数どうし(2.45と0.87など)の大小関係が分からない。」

数の大小の比べ方を用います。

  1. 位を上下に揃える。
    2.45
    0.87
  2. 「上の位の数字が大きい方が数が大きい」数の原則を確認し、2つの数を見比べます。

もしこれで分かりづらい場合は、それぞれの位の量イメージに遡ると分かるはずです。

「90÷20の計算で9÷2で商をもとめて、あまりが10になる計算が身につかない。」

計算の工夫で用いられるやり方です。10の束で考えて、9つ÷2つ=4あまり1つとなる。商は4で構いませんが、あまりは束ではなく10にもどす必要があります。この考え方が難しく、計算ミスを誘発しやすいです。普段通りに計算する方が、いいかと思います。

「87÷25の2桁どうしの筆算で、仮商たてがうまくできない。」

まず1の位の数を除いて考えるために、それぞれの1の位を隠すと8÷2という十の位のわり算になります。
この十の位のわり算の答は4。これが商たてのヒントになります。たつ商は4より1大きい5以下の数となります。あとは、順に下げて商たて(5→4→3…)とやっていけばいいと思います。

「153÷24などの商が1桁の計算はできるが、345÷21などの商が2桁になる計算はできない。」

筆算の商たちの位置の手続きが抜けています。
345を21で割る場合
21)345
「3は21人で分けられるか?」「いいえ」
21)345
「34は21人で分けられるか?」「はい」
この段階で、4の上に商が立つことが分かります。この2桁目で商がたつことを十分に練習し身につけた上で、153÷24といった1の位でやっと商がたつ計算をやればいいと思います。

「732÷216などの3桁の計算になると商がたてられない。」

大きな数になると急に難しく感じる子がいます。複雑なイメージをとり除いて考えるために、わる数を下2桁かくし1桁にして、同じくわられる数も下2桁だけ隠します。
216)732
すると10の位を隠すと7÷2という百の位のわり算になります。
このわり算の答は3。百の位にたつ商は、3より1大きい4以下の数となります。あとは、順に下げて商たて(4→3→2)とやっていけばいいと思います。

「2つの式をカッコを使った1つの式へとたてることができない。」

30+20=50, 50×3=150 といった関連する2つの式を1つにするとき、その組み立てを複雑に感じてしまうようです。このようなトレーニングをつめばいいでしょう。

  1. 小分け計算式でもとめてみます。
    このとき、計算した答を次の計算で使うときは、その答の下にその数がくるようにかきます。
    30+20=50
    30+20=50×3=150
  2. はじめの計算がたし算ひき算なら()をくわえます。
    (30+20)=50
    (30+20)=50×3=150
  3. =と同じ数の部分を消します。
    (30+20)=50
    (30+20)=50×3=150
  4. 消したところに上の式を入れます。
    (30+20)×3=150
    慌てずに1つ1つ式を組み立てることが大切です。

「カッコを使った式の計算ができない。」

計算過程を横に書か連ねると、何をどのように書けばいいのか分からなくなります。これは計算過程を下に書くことで避けられます。
4×(30+20)
=4× 50
=200
計算した部分だけを答に変えて書くという原則を守り抜かせることが大切です。

「面積と長さの違いがわからない。」

広さと長さと説明しても分からない子もいます。

  • 広さは「形の大きさ」
  • 長さは「線の大きさ」

表現すると違いがハッキリして子どもには分かりやすいと思います。

「長方形の面積を求める際、どちらがたてか横か分からない。」

以下のように説明するといいでしょう。

  • 縦は「むこう側」に伸びている辺
  • 横は「左右」に伸びている辺

ただしものの見る位置によって、たてや横は変わることも併せて教えておくといいと思います。image_04_261.jpg

 

「全ての直角の5角形の面積をもとめるとき、長方形に分けて求められる理由が理解できない。」

「面積の保存性」という概念が引き出せていないかもしれません。長方形A(3×4)と長方形B(2×2)の2つを用意します。

  1. 長方形ABをそれぞれ別に面積を求めます。A12㎠とB4㎠
  2. 2つの長方形の一辺を合わせたときにできる図形(5角形)の面積を尋ねます。12㎠+4㎠=16㎠
    この考え方をもとに、五角形の面積を求めるときにどんな方法があるか?尋ねてみて下さい。面積の保存性を思い出して長方形に分ければいいという考え方を引き出せると思います。

「なぜcm2の単位があるのにm2(平方メートル)の単位が必要なのか分からない。」

小さな単位で大きな量を表現すると、桁が多くなります。するとイメージが困難だからです。次の手順でお子さんに説明するといいでしょう。

「『2.5m2』と『23m2』はどっちが大きい?」と尋ねます。ここで23m2の方がずっと大きいことを確認します。
「この2つの量をc㎡で表すとこうなるよ」と2500cm2と23000cm2を示します。「どっちが大きい?」と尋ねます。23000と回答します
「この2つの量をm㎡で表すとこうなるよ」と250000cm2と2300000cm2を示します。「どっちが大きい?」と尋ねます。判断に時間がかかるでしょう。
「もう一度、『2.5m2』と『23m2』をみてみるよ」と示します。
そして「数字が多くなると、どっちが大きいかすぐに分からないでしょ。数字が少なければ分かる。数字を少なくするために、単位があるのよ」と説明します。
示して納得させると単位の必要性を強く感じます。

「5/3などの仮分数の大きさがよく分からない。」

image_4_291.jpg
大きさがイメージできないときは、帯分数に変えると分かります。

「仮分数を帯分数に変えるイメージがよくわからない。」

以下のようなイメージです。

  1. 帯分数のイメージを四角ブロックで表します。image_4_301.jpg
  2. 整数部分のブロックに切り込みをいれて分数にします。image_4_302.jpg
  3. 整数部分を分数の上にのせます。image_4_303.jpg

「1/2と2/4が同じ大きさにみえない。」

分数表記だけではイメージしにくいかもしれません。正方形を1としてそれを2分割したうちの1つを色を塗ります。また、同じ大きさの正方形を今度は四分割したうちの2つを色を塗ります。2つの正方形を見比べると同じ量だけ色が塗られています。これで大きさが等しいことは分かります。

「なぜおよその数(概数)が必要なのか分からない。」

現在の日本の人口など頻繁に変わってしまう数量は正確に表現できません。しかしそんな数でもある高い位の数はそう変わりません。その変わらない位の数でおよその数の大きさ具合が分かります。数の大きさの具合を知りたいときに概数は必要とされます。

「〜の位までの概数にするとき、どうして〜の位を四捨五入しないのか分からない。」

「〜の位までの概数にする」というのは、〜の位までを概数として表したいという意味です。

四捨五入はその時のその位より小さい端数を、大きい数だから繰り上げて上の位に含めるか?あるいは小さいから数だから消してしまうか?を判断するものです。

「概数に入らない端数=四捨五入で判断」と捉えるとスッキリすると思います。

「3.6Lの水を3人で等分するときの1人分は何Lですか?の問題でわり算だと分からない。」

液体などの量は、個体物(おはじき・紙など)とは異なり1つにまとまっています。これが配るというイメージを想起しにくいようです。液量を配るもののイメージとして示すと分かるはずです。image_04_341.jpg

「46.7÷3などを筆算で余りをもとめるとき、余りの小数点はどうして飛び越えてくるのか意味が分からない。」

筆算で書き込まれるかける・ひく・おろすなどの計算の答には小数点を付けません。しかしそれは小数点を付けるのが面倒だから手続きを省いているだけで本当は小数点がずっと並んで隠れています。余りの小数点は飛び越えてくるわけではありません。image_04_35.jpg

「4Lを3人で分けるときの1人分を求めるとき、どうしてあまりが出ないのか分からない。」

ミニカー(個体物)をわけるとき、4台のものを3人で分けると1人1台で、あまりは1台です。この余った1台を4人で分けることはできません(まさか、切るわけにはいかない)。
しかし液体や重さなどの存在が1つにまとまる量は、余りの1Lをさらに3人で分けることができます。それで余りが生じません。image_04_361.jpg

「透視図のなかで面・辺・頂点の数を上手く数えられない。」

指で数えたり目で追っても、カウントしたかどうか分からなくなります。透視図に色で印をつけていけばいいと思います。面と辺と頂点は色を変えることもお忘れなく。

「直方体の展開図を書くことが出来ない。」

以下の手順でかけるはずです。

  1. 底面をかくimage_04_381.jpg
  2. 1でかいた底面の上下左右に同じ高さの側面をかく。image_04_382.jpg
  3. 底面の上下左右のどちらかに底面と同じ形の上面をかく。image_04_383.jpg

かならず切り取って上手く立体になるか確認して下さい。

面や辺の垂直平行がわからない。

小学生には少し難しいところです。実際に透明な立体を前に、関係を把握して、慣れてきたら透視図で練習する方がいいでしょう。辺と辺の垂直+平行→面と面の垂直+平行→辺と面の垂直+平行という順番で学習することが望ましいです。

「位置を表す座標が分からない。」

座標感覚を身につける必要があります。

  1. 縦(赤色)の直線3本と横(青)の直線3本を交差させた図をかく。
  2. それぞれの線の端に1,2,3と番号を振る。
  3. 縦横の線の交差部分を指して、その位置を表す線の番号を尋ねる。【例】赤1,青3の位置
  4. 交差部分を指差しで尋ねます。位置を表す座標が分からない
    慣れてきたら、線の数を増やし、色を黒に変えていけばいいと思います。

その他の学年の算数の意外な躓きへの教え方